USB4の核心技術である**トンネリング(Tunneling)**は、一言で言えば「異なる種類のデータをカプセル化(梱包)して、一つの共通の道(USB4ファブリック)に流す技術」です。
従来のUSB 3.2などで行われていた「オルタネートモード(Alt Mode)」とは根本的に仕組みが異なります。
1. トンネリングの仕組み
トンネリングでは、DisplayPort(映像)、PCI Express(データ)、USB 3.2といった異なるプロトコルのパケットを、USB4という共通の「封筒」に入れて転送します。
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カプセル化: 送信側で、映像やPCIeのデータをUSB4のパケットに詰め込みます。
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転送: USB4の太いパイプ(40Gbpsなど)の中を、これらの封筒が混ざり合って流れます。
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デカプセル化: 受信側(モニターやドック)で、封筒から元の映像信号やデータ信号を取り出し、それぞれの端子へ出力します。
2. オルタネートモード(Alt Mode)との違い
USB 3.2まで使われていたAlt Modeと比較すると、その効率の良さがわかります。
| 特徴 | オルタネートモード (Alt Mode) | トンネリング (Tunneling) |
| 仕組み | コネクタ内の物理的な「線」を丸ごと切り替える(例:映像専用にする)。 | 物理的な線は共有し、データを「パケット単位」で混ぜる。 |
| 帯域の柔軟性 | 映像用に固定されるため、余った帯域をデータ転送に使えない。 | 動的割り当てが可能。 モニターが使っていない余剰分をデータに回せる。 |
| 構成要素 | 物理レイヤーでの切り替えスイッチが必要。 | 内部に「ルーター(Router)」と「アダプター(Adapter)」が必要。 |
3. トンネリングがもたらす3つのメリット
① 帯域の動的最適化
例えば、40Gbpsの帯域がある場合、解像度の低いモニター(10Gbps分)を繋いでも、これまでは残りの30Gbpsをフルにデータ転送へ回すことが困難でした。トンネリングなら、必要最低限の帯域だけを映像に振り分け、残りの30GbpsをすべてSSDの転送などに充てることができます。
② デイジーチェーンの親和性
パケット単位でデータをやり取りするため、ハブを介して数珠つなぎ(デイジーチェーン)にしても、各デバイスへ適切にデータをルーティングしやすくなっています。
③ PCIeの完全な統合
外付けグラフィックボード(eGPU)や超高速NVMe SSDを支えるPCI Expressプロトコルを直接トンネリングできるため、ノートPCの拡張性が劇的に向上しました。
4. 測定・テストの難易度向上
エンジニアの視点では、このトンネリング技術によってコンプライアンステストの難易度が上がります。
物理層(波形)のテストだけでなく、正しくパケットが梱包・開封され、優先順位通りに転送されているかを検証するプロトコル・レイヤーのテストがより重要になります。
この技術について、さらに「動的な帯域管理の仕組み」や「具体的な測定手順」など、深掘りしたい部分はありますか?
USB4 Tunnelling Explained – Why It Matters
この動画では、USB4のトンネリングがなぜAVプロフェッショナルやデータ転送において重要なのかを短く解説しています。
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