ハーフブリッジとフルブリッジは、パワーエレクトロニクス回路の基本的な構成であり、主にインバーター(直流を交流に変換)やコンバーター(直流電圧を変換)で使われます。
これらの回路は、パワー半導体スイッチ(MOSFETやIGBTなど)を組み合わせて、電力の流れを効率的に制御します。
🏗️ ハーフブリッジ回路 (Half-Bridge Circuit)
ハーフブリッジは、直列に接続された2つのスイッチ(通常はMOSFETとダイオード)で構成されます。
構成
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スイッチ: 2つのスイッチ(S1とS2)が直列に接続されます。
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出力: スイッチの中点(M)から出力電圧(Vout)を取り出します。
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電源電圧: 直流電源(VDC)を使用し、通常はコンデンサーで二分割されます(VDC/2)。
特徴
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シンプルさ: 比較的シンプルで部品点数が少ないため、コストとスペースが節約できます。
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電圧: 出力電圧の最大振幅は、通常、電源電圧の半分(±VDC/2)です。
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応用: DC-DCコンバーター、アクティブ力率改善(PFC)回路、小型のインバーターなど。
🌉 フルブリッジ回路 (Full-Bridge Circuit)
フルブリッジは、ハーフブリッジを2組並列に接続し、合計4つのスイッチで構成されます。H字型に見えることからHブリッジとも呼ばれます。
構成
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スイッチ: 4つのスイッチ(S1からS4)が2組の直列アームとして接続されます。
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出力: 2つの中点(M1とM2)の間から出力電圧(Vout)を取り出します。
特徴
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電圧: スイッチのオン/オフの組み合わせにより、出力電圧の振幅は電源電圧の約2倍(±VDC)まで可能です。
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出力: 正弦波に近い高品質の交流波形を生成できます。
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電力: 同じ電源電圧とスイッチング素子を使用した場合、ハーフブリッジよりも大きな電力を扱うことができます。
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応用: EVのトラクションインバーター、太陽光発電のインバーター、無停電電源装置(UPS)、大電力DC-AC変換など。
比較まとめ
| 特徴 | ハーフブリッジ | フルブリッジ(Hブリッジ) |
| スイッチ数 | 2個 | 4個 |
| 出力電圧振幅 | VDC/2 まで | VDCまで (ハーフブリッジの約2倍) |
| 部品点数 | 少ない | 多い(複雑) |
| コスト/複雑さ | 低い | 高い |
| 主な用途 | 低~中電力、DC-DCコンバーター | 中~大電力、ACインバーター、モーター制御 |
どちらの回路を選択するかは、必要な出力電圧、電力レベル、効率、そして許容されるコストと複雑さによって決定されます。
下記資料では「ハーフブリッジとフルブリッジの違い」について詳しく解説されています。
【パワエレ】インバータの基礎 Fundamentals of Inverter
https://www.youtube.com/watch?v=4vl3RKoH_M4
出典:パワーエレクトロニクス研究室―Power Electronics Lab.
01:14 概要
01:32 インバータの種類(電圧形と電流形)
03:33 インバータの基本回路(電圧形インバータの場合)
05:03 インバータの電流経路
05:49 インバータの種類(ハーフブリッジとフルブリッジ)
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