パルス波形とは?
パルス波形(Pulse Waveform)とは、急激に立ち上がり・立ち下がる短時間の信号を繰り返す波形のことです。
デジタル信号の基本形でもあり、「ON/OFF」や「1/0」など2値状態の時間的変化を表現するためによく使われます。
パルス波形の構造
パルス波形には、以下のような代表的なパラメータがあります:
パラメータ | 説明 |
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立ち上がり時間(Rise Time) | 低→高に変化する際の時間(10%→90%など) |
立ち下がり時間(Fall Time) | 高→低に戻る際の時間 |
パルス幅(Width) | パルスが「ON」状態を維持している時間 |
周期(Period) | 1つのパルスが終わってから次が始まるまでの時間 |
デューティ比(Duty Cycle) | ON時間 ÷ 周期 × 100%(50%なら矩形波) |
パルス波形の主な用途
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デジタル回路のクロック信号
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マイコンやFPGAの制御信号
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モーター・ドライバのPWM制御
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テスト信号としての入力
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電源・電流回路の立ち上がり試験
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パルス応答(インパルス応答)測定
パルス波形の種類(例)
種類 | 特徴 |
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単発パルス | 1回限りの短いパルス |
矩形波 | 一定の周期でON/OFFが繰り返される(Duty 50%) |
PWM波形 | Duty比が変化するパルス幅変調 |
トレインパルス | 一定間隔で複数回繰り返すパルス群 |
パルス波形の生成と観測
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信号発生器やファンクションジェネレータで生成可能
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オシロスコープで波形を観測・測定(立ち上がり時間やパルス幅など)
注意:高周波のパルス測定には、十分な帯域幅とサンプリング速度を持つオシロスコープが必要です。
パルス波形とノイズ
急激な立ち上がり・立ち下がりは、高周波成分を多く含むため、ノイズやリンギングの原因にもなりやすいです。
このため、適切な終端抵抗や減衰対策、プロービング技術が重要となります。
まとめ
パルス波形は、デジタル・アナログを問わず電子回路設計や評価に欠かせない基本信号です。
その**時間特性(立ち上がり、パルス幅、Duty比など)**を正確に制御・観測することで、信頼性の高い設計と試験が可能になります。