ファンクションジェネレータの使い方【初心者向けガイド】
ファンクションジェネレータ(Function Generator)は、サイン波・矩形波・三角波などの基本的な電気信号を出力する装置です。
電子回路の評価や実験、オシロスコープとの併用による波形確認など、多くの場面で活用されています。
ここでは、初めて使う方向けに、使い方の基本ステップと注意点を解説します。
基本的な接続・設定手順
✅ 1. 電源を入れる
ファンクションジェネレータと、必要であればオシロスコープや被測定回路の電源を入れます。
✅ 2. 出力端子にBNCケーブルを接続
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**出力端子(CH1など)**に同軸ケーブル(BNC)を接続します。
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測定対象に合わせて、パッシブプローブやアッテネータを併用することもあります。
✅ 3. 波形の種類を選択
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サイン波(Sine)
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方形波・矩形波(Square)
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三角波(Triangle)
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パルス波(Pulse)
などから目的の波形を選びます。
✅ 4. 周波数を設定
信号の繰り返し周期を決定します(例:1kHzなど)。
測定対象に応じて、数Hz〜数MHzの範囲で設定します。
✅ 5. 出力電圧(振幅)を設定
出力の大きさを設定します。
通常は「Peak-to-Peak(Vpp)」または「RMS」で表示されます。
例:5Vpp、1Vrmsなど
✅ 6. オフセット電圧を設定(必要に応じて)
基準電圧を上下にずらす場合、DCオフセットを設定します。
(例:波形全体を+2Vにシフト)
✅ 7. 出力をONにする
「Output」や「CH1 ON」などのボタンで信号出力を開始します。
オシロスコープと組み合わせた観測
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ファンクションジェネレータの出力をオシロスコープに入力
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オシロ側で時間軸・電圧軸・トリガ設定を調整
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波形を観測し、周波数・振幅・ノイズなどを確認
使用例ごとの設定ポイント
測定対象 | 推奨波形 | 周波数例 | その他の設定例 |
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オペアンプの周波数応答 | サイン波 | 100Hz~1MHz | 振幅1Vpp、オフセット0V |
デジタル回路クロック | 方形波/矩形波 | 1kHz~10MHz | 50% Duty、TTLレベル出力 |
パルス応答試験 | パルス波 | 単発または1Hz | 幅1ms、立ち上がり時間に注目 |
ノイズ耐性評価 | ホワイトノイズ | – | 一部モデルのみ対応 |
注意点とトラブル回避のポイント
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出力端子のインピーダンス(多くは50Ω)と測定対象が合っているか確認
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高周波信号ではケーブルの整合性や反射に注意(短く、終端抵抗を使用)
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出力レベルの設定により、機器に過電圧を与えないようにする
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DCオフセットの設定ミスに注意(機器を壊す可能性あり)
まとめ
ファンクションジェネレータの使い方はシンプルですが、周波数・振幅・波形・オフセットの正確な設定が測定の信頼性を大きく左右します。
オシロスコープと併用することで、より深い信号解析が可能になり、開発・教育・評価の幅が広がります。