SIGLENT (シグレント)スペクトラム・アナライザ SSA3000X PLUSシリーズ

ブラシレスDC(BLDC)モーターは、ブラシ付きDCモーターに比べてEMIノイズが少ないです。ただし、ブラシ付きDCモーターとは異なる種類のノイズが発生します。


 

ノイズ発生のメカニズム

 

 

ブラシ付きDCモーター

 

ブラシ付きDCモーターのノイズは、主にブラシと整流子の接触・摩擦によって発生します。この物理的な接触は、火花(アーク放電)を伴うことが多く、広範な周波数帯域で強力な伝導性および放射性EMIノイズを発生させます。ブラシの摩耗による物理的なノイズも発生します。

 

ブラシレスDCモーター

 

BLDCモーターは、ブラシと整流子の物理的な接触がないため、火花によるノイズが発生しません。しかし、電子回路でモーターの回転を制御しているため、この電子制御がノイズ源となります。具体的には、モーターの巻線に電流を流すために使用されるPWM(パルス幅変調)制御が、高周波のスイッチングノイズを発生させます。

このPWMスイッチングノイズは、主にモーターの電源ラインを通じて伝わる伝導性ノイズです。また、配線やモーターコイルから放射される放射性ノイズも発生します。


 

対策

 

BLDCモーターのノイズ対策としては、以下のような方法が一般的です。

  • フィルターの追加: 電源ラインにコモンモードチョークコイルやコンデンサなどのEMIフィルターを挿入し、伝導性ノイズを抑制します。

  • シールド: モーターや電子回路、配線をシールドすることで、放射性ノイズを抑制します。

  • PWM周波数の調整: スイッチング周波数を調整することで、特定の周波数帯域のノイズを低減できる場合があります。

  • 配線の工夫: 配線を短くしたり、シールド付きのケーブルを使用したりすることで、ノイズの放射や伝導を減らします。

適切な設計と対策を講じることで、BLDCモーターのEMIノイズは効果的に管理できます。

 

 

 

 

参考:

「初めてのスペアナによるEMIノイズ対策」 スペアナによるEMIノイズ測定の手順書を差し上げています。

  • 全82ページの図解による手順書
  • 普段スペアナを使用しない方向け
  • オシロスコープとの違いから紹介
  • 近接プローブでのノイズ源探索
  • EMIプリコンプライアンスモード紹介

初めてのスペアナによるEMIノイズ対策(抜粋)

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T&MコーポレーションではNEXTEM社と協調してSIGLENT社、Ceyear社の電子計測器(スペアナ, VSG, VNA等)による EMIノイズ評価に必要な電子測定器、システムの提案を行っております。お気軽にお問い合わせフォームよりご相談くださいませ。
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