✅ VNA + コネクタ/校正キットの応用例

1. 高周波基板の特性評価

  • 用途:RF回路やミリ波アンテナ基板の伝送特性(Sパラメータ)評価

  • 構成例

    • 測定機器:SIGLENT SNA5032A(~13.5GHz)

    • コネクタ:3.5mm

    • 校正キット:3.5mm SOLTキット

  • 補足:基板にSMA端子をはんだ付けする場合は、3.5mm-SMA変換で精度を確保。


2. コネクタ・ケーブル製造時の性能検査

  • 用途:RFケーブルやコネクタ製品の挿入損失・反射損失の検査

  • 構成例

    • 測定機器:CEYEAR 3672シリーズ(~26.5GHz)

    • コネクタ:2.92mm(K型)

    • 校正キット:K型 SOLTキット

  • 補足:検査ラインではトルクレンチ併用で接続再現性を維持。


3. アンテナのインピーダンス整合確認

  • 用途:アンテナのS11(反射)特性測定、マッチングの最適化

  • 構成例

    • 測定機器:SIGLENT SVA1032X(~3.2GHz)

    • コネクタ:N型

    • 校正キット:N型簡易校正キット

  • 補足:校正後のSWR(VSWR)表示機能で直感的に整合度を把握可能。


4. 材料の誘電率/透磁率評価(高周波特性)

  • 用途:高周波特性を持つ材料(セラミック・基板・樹脂など)の複素誘電率測定

  • 構成例

    • 測定機器:SIGLENT SNA5064A(~26.5GHz)

    • コネクタ:3.5mm

    • 校正キット:TRLキット(精密ライン付き)

  • 補足:適切な治具(コネクタ付きテストセル)を使用し、電磁界シミュレーションと併用。


5. ミリ波通信モジュールの評価(5G・衛星通信)

  • 用途:ミリ波帯での送受信回路の利得、群遅延、アイソレーション評価

  • 構成例

    • 測定機器:CEYEAR 3675シリーズ(~67GHz)

    • コネクタ:1.85mm(V型)

    • 校正キット:1.85mm TRL or SOLT 高精度タイプ

  • 補足:高周波コネクタの取り扱いは専用治具と温度安定環境が必要。


🔍 応用のポイント

  • コネクタ・校正精度=測定信頼性
     測定の不安定要因の多くは、コネクタ接触・トルク不良・校正ミスによるものです。

  • 適切な校正キットと手順選定で、結果の再現性と精度が向上。

  • 業界・用途に応じた構成提案が、信頼を得る鍵になります。