
ローカル5Gに割り当てられている周波数帯は、Sub6(サブシックス)とミリ波の2つです。これらの周波数帯は、それぞれ電波の特性が異なり、利用条件にも違いがあります。
割り当て周波数帯
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Sub6(4.6GHz帯)
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周波数帯: 4.6GHzから4.9GHz
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特徴: 携帯電話で使われる周波数帯に近く、電波が比較的遠くまで届きやすい特性があります。建物の中にも回り込みやすく、広いエリアをカバーするのに適しています。
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利用条件: 4.6GHzから4.8GHzは屋内かつ地域限定で利用可能。4.8GHzから4.9GHzは屋内・屋外両方で利用できます。
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ミリ波(28GHz帯)
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周波数帯: 28.2GHzから29.1GHz
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特徴: 波長が短く、超高速・大容量通信が可能です。ただし、電波が直進性が強く、障害物の影響を受けやすいのが弱点です。そのため、通信距離が短くなりがちです。
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利用条件: 28.2GHzから28.45GHzは屋内・屋外両方で利用できます。28.45GHzから29.1GHzは、固定衛星業務の地球局との共用条件があるため、基本的には屋内での利用が推奨されています。
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周波数帯の選定
ローカル5Gを導入する際は、利用目的に応じてこれらの周波数帯を使い分けるのが一般的です。
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広い範囲をカバーしたい場合: Sub6が適しています。
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工場や倉庫内などで高速・大容量通信が必要な場合: ミリ波が適しています。
どちらの周波数帯を利用する場合でも、他の無線局との電波干渉を防ぐため、免許申請が必要です。免許は総務省の総合通信局に申請し、事前に事業者間の調整を行う必要があります。
ローカル5Gは、特定の場所や企業が独自に構築・運用する5Gネットワークのことで、高速・大容量、低遅延、多数同時接続という5Gの特徴を最大限に活かしたさまざまなユースケースがあります。
工場・製造業 🏭
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ロボット制御と自動化: リアルタイムなロボット制御や製造ラインの自動化により、生産効率を向上させます。
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AGV (無人搬送車) の自律走行: 工場内でのAGVの安全かつ効率的な運行を実現し、物流を最適化します。
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設備監視・予知保全: 多数のセンサーを接続し、設備の稼働状況をリアルタイムで監視。故障の予兆を検知し、計画的なメンテナンスを可能にします。
建設・土木 👷♂️
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建機の遠隔操作: 危険な場所や遠隔地から建設機械を遠隔操作することで、作業員の安全性を確保し、効率を向上させます。
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スマートヘルメット: 5Gを搭載したヘルメットで、現場の映像をリアルタイムで共有し、遠隔地からの指示やサポートを可能にします。
医療・ヘルスケア 🏥
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遠隔医療: 高精細な映像をリアルタイムで伝送することで、遠隔地から専門医が診察や手術の支援を行えます。
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スマート手術室: 手術室内の機器を5Gで接続し、手術データをリアルタイムで共有・解析することで、より安全で効率的な手術を実現します。
物流・倉庫 🚚
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AGVの協調制御: 複数のAGVが協調して動作することで、倉庫内のピッキングや搬送を効率化します。
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ドローンによる在庫管理: ドローンが倉庫内を巡回し、棚のバーコードを読み取ることで、迅速かつ正確な在庫管理を可能にします。
エンターテイメント 🏟️
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高精細映像のライブ配信: スポーツ観戦やライブ会場で、多数のカメラ映像を高精細でリアルタイムに配信し、視聴者に臨場感あふれる体験を提供します。
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AR/VR: AR/VR技術を活用し、新たなエンターテイメント体験や観光コンテンツを提供します。
T&MコーポレーションではSIGLENT社、Ceyear社の電子計測器(スペアナ、VSG、VNA等)によるローカル5G関連の高周波電子計測器の提案を行っております。お気軽にお問い合わせフォームよりご相談くださいませ。
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