信号発生器の使い方|基本操作からオシロスコープとの連携まで
**信号発生器(シグナルジェネレータ)**は、電子回路や装置に任意の電気信号(波形)を与える装置です。基本波形(正弦波、方形波など)の出力から、任意波形、通信信号、変調波まで、幅広い試験信号を生成できます。
このページでは、ファンクションジェネレータや任意波形発生器の基本的な使い方、測定系での活用方法、操作例をご紹介します。
基本的な使い方の手順(例:SIGLENT SDGシリーズ、OWON AGシリーズ)
① 出力チャネルを選ぶ
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多くの機種は CH1/CH2 の2チャネルを備えています。
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出力先を選択し、「波形」「振幅」「周波数」などの設定を開始。
② 波形の種類を選ぶ
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正弦波(Sine)/方形波(Square)/三角波(Triangle)/のこぎり波/パルス/ノイズ/任意波形(Arb) など
③ 周波数と振幅を設定
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【例】1kHz、2Vpp(ピーク・ツー・ピーク)
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単位はHz/kHz/MHz、Vpp/Vrms/dBmなど選択可能
④ オフセットや位相を調整(必要に応じて)
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DCオフセット:±◯Vで信号の基準点を上下移動
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位相差:2ch出力時に位相制御(例:90°シフト)
⑤ 出力ONボタンを押す
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最後に「Output ON」を押して、信号を回路へ出力します。
測定例:オシロスコープとの連携
信号発生器 | オシロスコープ |
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出力信号を設定 | 入力CHに接続 |
周波数・振幅調整 | 波形を確認(AUTOまたは手動スケーリング) |
波形の安定化(例:トリガ設定) | 変動波形の安定表示 |
※信号品質や伝送損失を評価する場合は、終端抵抗(例:50Ω)を設定することで正確な波形が得られます。
よくある使い方シーン
使用目的 | 設定内容の例 |
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アンプ特性の確認 | 正弦波/10Hz~1MHz/0~5Vpp |
デジタルICの入力テスト | 方形波/1kHz/TTLレベル(0~5V) |
フィルタ回路の周波数特性測定 | 周波数スイープ/ログステップ |
通信信号模擬 | ASK/FSK/IQ変調(対応機種) |
センサ信号の模擬 | 任意波形(実波形をCSVから再現) |
安全に使うためのポイント
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許容電圧を超えないように注意(特にTTL/CMOS回路)
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出力ON時の信号を切り替える場合は一度OFFに
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接続前に必ずグランド(GND)を共有させること
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高周波出力時は終端(50Ω)を適切に設定
対応機種の例(T&Mコーポレーション取扱)
✅ SIGLENT SDG6000Xシリーズ(高機能任意波形発生器)
最大500MHz、16bit分解能、変調・IQ出力対応
✅ OWON AG1022Fシリーズ(2ch基本波形出力+Arb機能)
教育・開発入門に最適な低価格帯
まとめ
信号発生器は、電子機器に意図した波形を与えて動作を検証するための「信号の発信源」です。
正しい使い方を知ることで、設計・評価・教育の現場で大きな威力を発揮します。
T&Mコーポレーションでは、SIGLENT・OWONなど信頼性の高い信号発生器を正規総代理店として取扱い、導入支援から技術サポートまで対応しています。