光アイソレーションプローブとは

**光アイソレーションプローブ(Optical Isolation Probe)とは、被測定対象と測定機器(例:オシロスコープ)の間を光信号で絶縁(アイソレーション)**することで、高い電位差がかかる回路の安全な測定を可能にするプローブです。特に、高速スイッチング電源、モータードライブ、インバータ回路、絶縁信号測定などの分野で広く使用されています。


特徴と利点

  • 高い絶縁耐圧(例:2,500V以上)で測定器を保護

  • 広帯域・高精度測定が可能(数MHz〜数百MHz)

  • ノイズ除去能力が高く、微小信号も観測可能

  • フローティング信号コモンモードノイズの多い回路でも安定測定


用途例

用途 測定対象
パワーエレクトロニクス MOSFETやIGBTのゲート信号、スイッチング波形
モータ制御 インバータの出力波形、シャント抵抗による電流検出
絶縁回路の検証 デジタルアイソレータ、トランス駆動信号など
医療・車載機器開発 高電位系からの安全な信号観測

一般的な構造と動作原理

  1. **入力部(プローブ先端)**が回路の信号を検出

  2. 信号をA/D変換 → 光信号に変換し、光ファイバで伝送

  3. 出力部で再び電気信号に変換し、オシロスコープに表示

この構造により、入力側と出力側の完全な電気的分離が実現され、測定中の安全性が大幅に向上します。


Micsig製 光アイソレーションプローブ(取扱製品例)

T&Mコーポレーションでは、Micsig社製の光アイソレーションプローブシリーズを国内正規代理店として取り扱っています。

製品名 帯域幅 差動測定範囲 絶縁耐圧(CAT II)
MOIP100P 100MHz ±100V 2500V
MOIP200P 200MHz ±200V 2500V
MOIP350P 350MHz ±350V 2500V
MOIP500P 500MHz ±500V 2500V
MOIP800P 800MHz ±800V 2500V
MOIP1000P 1GHz ±1000V 2500V

※上記すべて、専用受信ユニット経由で一般的なBNC入力オシロスコープに接続可能です。


注意点と選定のポイント

  • 使用回路の最大電圧周波数帯域を確認して選定

  • 接地されていない信号測定時は、必ず絶縁型を選択

  • バッテリー駆動かつ光通信のため、電源ノイズの影響が少ない


まとめ

光アイソレーションプローブは、安全性と信頼性を兼ね備えた測定ツールであり、特に高電圧・高速信号の差動測定が求められる現場において欠かせません。T&Mコーポレーションでは、Micsig製品をはじめとした信頼性の高いモデルをご提案しています。選定のご相談やデモ機のご希望もお気軽にお問い合わせください。