
Massive MIMOの後継技術として6Gで注目されているのは、分散MIMO(Distributed MIMO)です。この技術は、Massive MIMOをさらに高度化したものです。
Massive MIMOと分散MIMOの違い
Massive MIMOは、基地局に多数のアンテナを集中配置することで、ユーザーごとの専用の電波(ビーム)を形成し、通信速度と効率を向上させる技術です。これにより、複数のユーザーが同時に快適な通信を利用できます。
一方、分散MIMOは、基地局のアンテナを複数の場所に分散配置する技術です。これにより、ユーザーは複数のアンテナからの電波を協調して利用できるようになります。これは、舞台上の俳優が複数のスポットライトを浴びるイメージに例えられます。
特徴 | Massive MIMO (5G) | 分散MIMO (6G) |
アンテナ配置 | 基地局に集中 | 複数の場所に分散 |
通信方式 | 基地局がビームを形成 | 複数のアンテナが協調して通信 |
利点 | 周波数利用効率の向上 | 周波数利用効率のさらなる改善、通信品質の安定化 |
課題 | アンテナ切り替え時の通信品質低下 | アンテナ間の協調制御、信号処理の複雑化 |
分散MIMOの利点
分散MIMOは、5GのMassive MIMOが抱える課題を克服し、6Gの実現に貢献します。主な利点は以下の通りです。
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通信品質の安定化: アンテナが分散しているため、高速で移動する車両や建物による電波の遮蔽があっても、通信品質が低下しにくくなります。
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カバレッジの向上: 複数のアンテナが協調することで、セル端での通信速度の低下を抑制し、エリア全体で均一な高速通信を提供できます。
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周波数利用効率の改善: 従来のMassive MIMOよりもさらに高い周波数利用効率が期待されます。
6Gのその他の技術動向
分散MIMOの他に、6Gでは以下の技術も研究開発が進められています。
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テラヘルツ波: 5Gで利用されるミリ波よりもさらに高い周波数帯域で、超高速・大容量通信を実現します。
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通信とセンシングの融合: 通信だけでなく、電波を利用して周囲の物体を検知したり、高精度な測位を行う機能も統合されます。
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AIによる無線制御: AIを活用して、電波の状況やユーザーのニーズに応じて最適な通信制御をリアルタイムで行います。
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