SIGLENT (シグレント)スペクトラム・アナライザ SSA3000X PLUSシリーズ

多値変調とは、1つの信号要素で複数のビットを伝送するデジタル変調方式です。これにより、伝送路の帯域幅効率を向上させることができます。


 

原理

 

一般的なデジタル変調方式(例:ASK、FSK、PSK)では、1つの信号要素(シンボル)が1ビットの情報しか伝送できません。しかし、多値変調では、複数のレベルや位相を組み合わせてシンボルを作り、1つのシンボルでビットの情報(通りの情報)を伝送します。

例えば、4値変調(2ビット/シンボル)では、信号の振幅や位相に4つの異なる状態を割り当てます。これにより、1つのシンボルで「00」「01」「10」「11」の4種類の情報を伝送できます。

 

利点と欠点

 

 

利点

 

  • 帯域幅効率の向上: 同じ帯域幅でより多くの情報を伝送できます。これは、限られた周波数帯域を有効活用するために非常に重要です。

  • 高速伝送: 帯域幅が同じであれば、伝送速度を向上させることができます。

 

欠点

 

  • 耐ノイズ性の低下: 複数のレベルや位相を区別する必要があるため、シンボル間の距離が近くなります。これにより、ノイズや干渉の影響を受けやすくなり、ビット誤り率(BER)が高くなる傾向があります。

  • 回路の複雑化: 多様なレベルや位相を生成・復調するための回路が複雑になります。


 

種類

 

多値変調には、以下のような様々な方式があります。

  • 多値ASK (Amplitude Shift Keying): 信号の振幅に複数のレベルを割り当てます。

  • 多値FSK (Frequency Shift Keying): 信号の周波数に複数のレベルを割り当てます。

  • 多値PSK (Phase Shift Keying): 信号の位相に複数のレベルを割り当てます。

  • QAM (Quadrature Amplitude Modulation): 振幅と位相の両方を組み合わせて複数のシンボルを生成する方式です。多値変調の中で最も広く利用されており、Wi-Fiや携帯電話通信などで使われています。


多値変調は、デジタル通信の効率を高める上で不可欠な技術であり、無線LAN、衛星通信、光通信など、様々な分野で応用されています。🛜📡

 

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