✅ 測定端子がアースや他の測定端子とは絶縁されている測定器
① 電気的絶縁とは
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対象
測定入力端子や出力端子が:-
筐体アースと導通しない
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電源回路と導通しない
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他の測定チャネルと導通しない
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効果
接地電位差に左右されず、短絡事故や接地ループを回避できる
② 測定端子が絶縁されている測定器の主な種類
測定器カテゴリ | 絶縁の内容 | 備考 |
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1チャネルDMM | 測定端子と筐体・電源部が絶縁 | 電源系から絶縁される設計が基本 |
バッテリー駆動DMM | 測定系全体が浮遊(実質完全絶縁) | 現場での安全性が高い |
絶縁抵抗計・耐圧計 | 測定回路全体がガルバニック絶縁 | 絶縁性能の試験用途 |
アイソレーションアンプ | 入力と出力が完全絶縁 | 高コモンモード抑制、微小信号測定に有効 |
電力アナライザ・パワーメータ | 各入力系統が独立絶縁 | 電圧系統・電流系統を独立安全測定 |
多チャネルデータロガー | 各チャネル間が絶縁 | 各チャネルが独立して浮いており電位差を許容 |
絶縁型オシロスコープ | 各チャネルおよび筐体アースから絶縁 | 電力設備・インバータ等の高電位差測定に有効 |
任意波形発生器(絶縁出力型) | 出力端子がアースと絶縁 | 測定対象が浮いていても短絡事故を防止可能 |
③ 測定端子が絶縁されていない測定器の例
測定器カテゴリ | 非絶縁の理由 | 備考 |
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汎用ベンチトップオシロスコープ | 測定入力のBNCシールドが筐体アース直結 | 接地ミスによる事故リスクあり |
汎用任意波形発生器(大多数) | 出力GNDが筐体アース直結 | 一般的には非絶縁出力 |
✅ 絶縁されている測定器に共通する利点
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接地の影響を受けず、任意の電位で安全に測定・出力可能
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接地系統を意識せずに浮いた回路への接続が可能
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高電位差を安全に測定・印加可能
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接地ループによるノイズ混入を回避
✅ 最後に: SIGLENT SHS1000X の簡単な紹介
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完全絶縁型のオシロスコープ
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測定端子は他チャネル・筐体アース・電源回路すべてから絶縁
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各チャネルが独立してフローティング測定可能
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高電圧系統(CAT III 600V / CAT II 1000V)対応
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バッテリー駆動で現場保守や安全測定に非常に適している
高電位差の安全な現場測定が必要な場合に非常に有効な機種