空芯ビームは、電波が伝わる中心部分の強度がゼロになる特殊なビームです。渦を巻くような位相分布を持つことから、軌道角運動量(OAM)モードやラゲール・ガウシアンモードとも呼ばれます。
原理と応用
空芯ビームは、アンテナから放射される電波の位相を渦状に回転させることで、中心軸上で電波が互いに打ち消し合い、結果として中心の電力がゼロになる特性を持っています。この特性を利用することで、中心部分にある機器(例えば、ドローンに搭載されたカメラなど)に影響を与えることなく、周囲のリング状の部分で電力や情報を伝送することが可能です。
具体的な応用例
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ドローンへのワイヤレス電力伝送: 飛行中のドローンに、中心のカメラなどの精密機器に干渉しないように電力を供給する技術として研究・開発が進められています。
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長距離の無線電力伝送: 空芯ビームの持つ特性は、ドローン以外にも長距離の無線電力伝送など様々な分野への応用が期待されています。
この技術は、長時間飛行が可能なドローンの実現や、無線通信における新たな可能性を開くものとして注目されています。
「飛行中ドローンのワイヤレス電力伝送に向けた空芯ビーム形成」国際電気通信基礎技術研究所(ATR) 松室 尭之 研究員
この動画は、空芯ビームの具体的な研究内容やドローンへの応用について解説しています。
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