
衝突被害軽減ブレーキ(AEBS)とは、Advanced Emergency Braking Systemの略で、自動車に搭載されている先進安全技術の一つです。一般的には「自動ブレーキ」とも呼ばれます。
このシステムは、車両の前方に搭載されたカメラやレーダーなどのセンサーを用いて、前方の車両や歩行者、障害物などを検知し、衝突の危険性がある場合に、以下のステップで事故の回避や被害の軽減を図ります。
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警告: 衝突の危険性が高いとシステムが判断した場合、まずドライバーに警告音や表示で注意を促します。
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自動ブレーキ作動: ドライバーが警告に反応しなかったり、衝突が避けられないと判断されたりした場合、システムが自動的にブレーキをかけて、衝突を回避、または衝突時の速度を下げて被害を軽減します。
AEBSの種類と性能要件
AEBSは、検知する対象によっていくつかの種類があり、国土交通省が定める性能要件を満たすことで認定されます。
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AEBS: 主に車両を検知するシステム。
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AEBS2: 車両に加えて歩行者も検知するシステム。
国が定める主な性能要件は以下の通りです。
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静止車両: 50km/hで接近した際に、衝突しない、または衝突時の速度が20km/h以下となること。
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走行車両: 20km/hで走行する前方車両に対して50km/hで接近した際に、衝突しないこと。
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警告: 自動ブレーキが作動する少なくとも0.8秒前に、運転者への警告が作動すること。
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歩行者: 前方を横断する障害物(歩行者)に20km/hで接近した際に、衝突しないこと。
センサーの種類
AEBSに用いられるセンサーには主に以下の種類があります。
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カメラ方式: フロントガラス上部に設置されたカメラで画像から物体の種類や距離を計算します。歩行者などを認識できるのが特徴です。
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ミリ波レーダー方式: 電波を利用し、その反射波から物体の位置や距離、相対速度を算出します。遠くまで検知でき、悪天候にも比較的強いという特徴があります。
衝突被害軽減ブレーキは、ドライバーの安全運転を支援する重要なシステムですが、天候や路面状況によっては正常に作動しない場合もあるため、過信せずに安全運転を心がけることが大切です。
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