高電圧半導体CV特性測定器 TECHMIZE TH51Xシリーズ

第11版 電子部品技術ロードマップは、電子情報技術産業協会(JEITA)の電子部品部会/部品技術ロードマップ専門委員会によって、2025年3月に発刊されました。

このロードマップは、Society 5.0世界における未来のスマートシティーの実現に貢献する電子部品の動向を副題とし、2035年頃の社会変化と技術進化の方向性を今後10年間で見据えて提示しています。


 

ロードマップの主要な構成とテーマ

 

第11版は、上巻・中巻・下巻の3分冊で構成され、以下の主要なテーマと電子部品の技術動向を深く掘り下げています。

 

1. 注目フィールド(第2章)

 

Society 5.0の具現化の場として想定される未来のスマートシティーを軸に、技術動向を「モビリティー」「情報通信」「環境」の3分野に分けて調査・解説しています。

分野 主な技術動向と電子部品への影響
モビリティー 自動運転技術(センサー技術)、電動化(カーボンニュートラル対応)、MaaS(シェア・オンデマンド型サービス)、空飛ぶクルマの市場予測と部品への影響。
情報通信 次世代通信技術(Beyond 5G/6G)、金融、データセンターなど、新たなユースケースとそれを支える通信デバイスモジュール。
環境 エネルギー効率の向上、持続可能な社会の実現に向けた技術革新。

 

2. 生成AIのインパクト(第3章)

 

近年急速に注目度を高めている**生成AI(Generative AI)**技術が、電子電気機器・電子部品業界に与える影響を体系的に分析しています。

  • 技術動向: 大規模言語モデル(LLM)や画像・音声生成AIなどの最新技術動向と、産業構造や人々の働き方への変革を解説。

  • ハードウェアへの波及: 生成AIを支えるハードウェアの技術動向を深く掘り下げ、今後の電子部品への要求と展望を提示しています。

 

3. 主要電子部品の進化(第4章)

 

第2章、第3章で取り上げた社会実装されるサービスや技術群を支える、基盤となる電子部品について解説しています。

  • 対象部品の例: コンデンサー、抵抗器、インダクター、EMC(電磁両立性)対策部品、コネクター、通信デバイスモジュール、センサー、アクチュエーター、電子材料など、幅広い部品の技術的な特徴と最新動向を網羅。

 

📍 ロードマップの目的

 

このロードマップは、電子部品に携わる技術者、研究者、そして経営層に対し、電子部品技術の中長期的な方向性を示し、今後の技術開発や事業戦略を検討する上での指針となることを目的としています。特に、地政学的リスクの高まりや環境変化といった現代社会の課題を踏まえ、持続可能な社会の実現に貢献する技術革新の重要性を強調しています。