電源とは

電源(Power Supply)とは、電子機器や回路に必要な安定した電力(電圧・電流)を供給する装置です。測定・開発・評価の現場では、電源はテスト対象の電子回路や機器に対し、意図的に制御された条件下で電力を与えるための重要なツールとなります。


電源の種類

種類 特徴・用途
直流電源(DC電源) 一定の直流電圧・電流を供給。多くの電子機器や回路の試験に使用される。
交流電源(AC電源) 家庭用AC100V/200Vとは異なる波形や電圧・周波数を供給可能。電源装置や家電の評価用。
プログラマブル電源 電圧・電流をソフトウェアや外部制御で可変制御。自動試験システムで活躍。
スイッチング電源 高効率・軽量で発熱が少ない。内部で高周波変換を行う。
リニア電源 ノイズが少なく高精度。出力が安定しているが、発熱が大きく大型化しやすい。

電源の基本パラメータ

項目 説明
出力電圧(V) 供給できる電圧範囲。例:0~30Vなど。
出力電流(A) 最大で供給可能な電流量。例:最大5A。
出力チャンネル数 同時に独立して出力可能な系統数(例:1ch、3chなど)。
CV/CCモード 電圧一定モード(Constant Voltage)/電流一定モード(Constant Current)の切替。
リップル・ノイズ 出力に含まれる微小な変動成分。低いほど高品質。

電源の主な用途

  • 電子部品・回路の評価・試験

  • 開発中製品への模擬電源供給

  • 製造現場での通電検査

  • 教育現場での実験・学習用途

  • バッテリ模擬や電源動特性試験(Inrush, Dropout)


使用時の注意点

  • 過電圧/過電流設定を事前に確認

  • 極性(+/−)の接続ミスに注意

  • 短絡時の保護機能(OVP/OCP)を有効に

  • ファン・放熱が必要なモデルでは排熱スペースを確保


まとめ

電源は、電子回路にとって「心臓部」ともいえる存在です。テスト対象に適した電圧・電流を供給し、かつ安全に制御するためには、電源装置の仕様や動作モードを正しく理解することが重要です。特に、開発・評価用途では、プログラマブル機能やリップル性能などの指標も選定のカギとなります。