電源の種類とは?
電源とは、電子機器や装置に必要なエネルギーを供給する装置です。電源の種類は供給される電圧の形式や制御方式、用途などによってさまざまに分類されます。本項では、代表的な電源の種類を紹介します。
【1】AC電源(交流電源)
家庭用や産業用で広く利用される交流(AC:Alternating Current)電源です。日本国内では100Vまたは200Vが一般的で、装置内で直流(DC)に変換して利用されることも多くあります。
【2】DC電源(直流電源)
一定方向に流れる直流(DC:Direct Current)を供給する電源です。電子回路の評価や試験用途で多く用いられ、出力電圧や電流を細かく設定できるタイプもあります。
【3】リニア電源
トランスとレギュレータによって構成される電源で、出力の安定性が高く、リップルやノイズが少ないのが特長です。ただし、発熱が大きく装置が大型化する傾向があります。高精度測定やアナログ回路用途に適しています。
【4】スイッチング電源
高速スイッチングによって電圧を制御する方式の電源です。小型・軽量・高効率で、多くの電子機器や産業用装置に採用されています。ノイズの影響に注意が必要な場合もあります。
【5】可変電源(プログラマブル電源)
出力電圧や電流を任意に設定できる電源です。多くはデジタル制御に対応しており、USBやLAN経由でリモート操作が可能なモデルもあります。試験・評価や自動化装置に広く利用されています。
【6】固定電源
特定の電圧(例:5V、12Vなど)を出力する電源です。構造がシンプルでコストが抑えられるため、組込用途や大量生産の装置に向いています。
【7】絶縁電源
入力と出力が電気的に絶縁されている電源です。安全性を確保するため、医療機器や測定機器、高電圧を扱う産業分野で使用されます。
【8】双方向電源(回生電源)
エネルギーを供給するだけでなく、回収(再注入)も可能な電源です。電気自動車やバッテリーテスト装置など、電力の双方向フローが必要な用途に適しています。
【9】ポータブル電源・バッテリー電源
持ち運び可能な電源装置で、屋外や電源確保が難しい環境で使用されます。USB出力やAC出力を備えた製品もあり、防災用途としても注目されています。
必要に応じて、具体的な製品構成例や選定ポイントについても別項で解説予定です。ご興味のある方は関連ページも併せてご覧ください。