電源の選び方

(用途に合った電源を正しく選ぶために)

電子機器の評価や実験、開発、教育現場で欠かせないのが**直流安定化電源(DC電源)**です。しかし、電源装置には多くの種類や仕様があるため、目的に合った製品を選ぶにはいくつかのポイントを押さえる必要があります。

ここでは、初心者の方でもわかりやすいように、電源を選ぶ際に重視すべき基本項目を紹介します。

1. 出力電圧と出力電流の範囲を確認する

使用する回路や機器に必要な**電圧(V)電流(A)**の最大値を調べ、それを十分にカバーできる電源を選びましょう。

  • 例:5V / 2Aの回路 → 最低でも5V・2A以上の出力が必要

  • 将来の応用も考えて、やや余裕のあるスペックがおすすめ

2. チャンネル数(出力数)

複数の電圧源を同時に使用したい場合は、2CH・3CHなどマルチ出力タイプの電源が便利です。独立出力・直列/並列接続などに対応したモデルもあります。

3. 安定性とノイズ性能

アナログ回路やセンシティブな測定用途では、ノイズが少なくリップルの小さいリニア電源が適しています。一方、高効率やコンパクトさを重視する場合はスイッチング電源が向いています。

4. 制御機能とインターフェース

評価・自動化環境では、USB/LAN/RS232などの外部制御インターフェース付きのプログラマブル電源が便利です。SCPIコマンド対応やLabVIEW連携などが可能な機種もあります。

5. 保護機能(安全性)

誤操作やトラブル時に備えて、以下の保護機能の有無も確認しましょう。

  • 過電流保護(OCP)

  • 過電圧保護(OVP)

  • 温度保護(OTP)

  • 短絡保護(短絡時に自動遮断)

6. 用途・使用環境に合っているか?

用途 おすすめの特長
教育・実験用途 操作が簡単・可変電圧・視認性の高い表示
回路評価・試作 高精度・低ノイズ・複数出力
自動化・システム組込み プログラマブル制御・遠隔操作
持ち運び・現場作業 小型・軽量・ACフリー対応(Type-C等)