SIGLENT (シグレント)スペクトル&ベクトル・ネットワーク・アナライザ SVA1000Xシリーズ

 

電源フィルタにおける接地コンデンサ(Yコンデンサ)の容量が異なると、主にコモンモードノイズの減衰特性に影響します。

  • 容量が大きい場合: コモンモードノイズに対する減衰特性が向上します。これは、より多くの高周波ノイズ成分をグラウンド(接地)にバイパスできるためです。

  • 容量が小さい場合: コモンモードノイズの減衰効果は小さくなります。


 

トレードオフの関係

 

接地コンデンサの容量を大きくすると減衰特性は良くなりますが、同時に漏洩電流(リーク電流)が増加するというトレードオフの関係があります。

  • 漏洩電流: AC電源フィルタのYコンデンサには、常に商用周波数(50/60Hz)の電圧がかかっています。このコンデンサを経由してグラウンドに流れる微小な電流が漏洩電流です。

  • 漏洩電流の制限: 多くの国の安全規格(電気用品安全法など)では、機器からの漏洩電流に上限値が定められています。容量を大きくしすぎるとこの規格をクリアできなくなる可能性があるため、減衰特性と漏洩電流のバランスを考慮して適切な容量が選択されます。

接地コンデンサは、電源ラインと筐体グラウンドの間に接続され、電源ラインに乗っているコモンモードノイズ成分をグラウンドに流す役割を担っています。これにより、機器からのノイズ放射を抑制します。

 

減衰特性の測定には、TG(トラッキングジェネレータ)付きスペアナ、またはVNA(ベクトルネットワークアナライザ)を使用します。

  • SIGLENT SSA3000X Plus TG付きスペアナ  22万円~(税別)
  • SIGLENT SSA3000X-R  VNA付きリアルタイム・スペアナ 82万円~(税別)
  • SIGLENT SVA1000X    スペクトル&ベクトル・ネットワーク・アナライザ 26万円~(税別)