SIGLENT (シグレント)スペクトラム・アナライザ SSA5000Aシリーズ

海外の5G周波数割り当ては、主に低帯域(ローバンド)中帯域(ミッドバンド)、**高帯域(ミリ波)**の3つの周波数帯域で行われています。多くの国では、周波数オークションという競争入札方式が採用されているのが大きな特徴です。


 

帯域ごとの割り当て動向

 

 

1. 中帯域(Cバンド)

 

  • 周波数帯域: 3.5GHz帯(3.4-3.8GHz帯)が主流。

  • 特徴: 5Gの主要な周波数帯として、世界中で広く利用されています。帯域幅が広いため高速通信が可能で、かつ電波が比較的遠くまで届くため、エリア構築に適しています。

  • 各国の動向:

    • 欧州: 汎欧州で共通の「5Gパイオニアバンド」として、3.6GHz帯が特定されています。

    • 米国: 3.5GHz帯(CBRS)や3.7GHz帯が主要な周波数帯として割り当てられ、オークションで巨額の落札がされています。

    • 韓国: 2018年に世界に先駆けて3.5GHz帯のオークションを実施し、5G商用化を加速させました。

    • 中国: 3.5GHz帯および4.9GHz帯が割り当てられ、基地局の設置数が世界で最も多いです。

 

2. 高帯域(ミリ波)

 

  • 周波数帯域: 26GHz帯、28GHz帯、39GHz帯など。

  • 特徴: 非常に広い帯域幅を確保できるため、超高速・大容量通信が可能です。ただし、電波の直進性が強く、建物や障害物に弱いため、広いエリアをカバーするには多数の基地局が必要となります。

  • 各国の動向:

    • 米国: 2019年にミリ波帯の割り当てを先行して実施しました。高速固定無線アクセス(FWA)サービスでの利用が先行しています。

    • 韓国: 28GHz帯のオークションを早期に実施しましたが、基地局の整備が義務化され、その進捗が課題となりました。

 

3. 低帯域(Sub-1GHz)

 

  • 周波数帯域: 700MHz帯、800MHz帯など。

  • 特徴: 電波が遠くまで届くため、広範囲のエリアをカバーするのに適しています。郊外や地方での通信エリア構築に役立ちます。

  • 各国の動向: 欧州では700MHz帯が「5Gパイオニアバンド」の一つに特定されています。


 

その他の傾向

 

  • プライベート5G: ドイツ、米国、英国、スウェーデンなどでは、特定の企業や団体が自社の敷地内で利用するローカル5G(プライベート5G)向けの周波数帯が配分されています。

  • 周波数オークション: 多くの国で、周波数オークションが周波数割り当ての主流となっています。これにより、各通信事業者の投資意欲が促進される一方で、落札価格が高騰する傾向も見られます。

  • 動的周波数共有(DSS): 一部の国では、既存の4G周波数帯を5Gにも転用する**Dynamic Spectrum Sharing(DSS)**技術を活用し、5Gネットワークのカバレッジ拡大を進めています。

 

参考:情報通信審議会 情報通信技術分科会 新世代モバイル通信システム委員会(第33回)日時 令和7年3月27日

委員会報告(案)「第5世代移動通信システムの技術的条件(26GHz帯/40GHz帯)」概要

 

 

 

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