
5G-Advancedは、現在の5G(第5世代移動通信システム)をさらに発展させた規格であり、6Gへの橋渡し役として位置付けられています。
5G-Advancedの主な特徴
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AI/機械学習(AI/ML)の活用: ネットワークの最適化、カバレッジとキャパシティの改善、電力消費予測などにAI/ML技術を適用します。これにより、より効率的で自律的なネットワーク運用を目指します。
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低遅延・高信頼性の強化: 産業用IoT(IIoT)やスマートファクトリー、遠隔医療といった分野での利用を想定し、通信の低遅延化と信頼性の向上を図ります。
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超低消費電力: ウェアラブル端末や多数のセンサーデバイスなど、低消費電力が求められるユースケースに対応するため、バックキャッタ通信やエナジーハーベスティングといった技術を活用し、デバイスの電池寿命を延ばすことを目指します。
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拡張現実(XR)やメタバースへの対応: 大容量通信と低遅延をさらに強化することで、高品質なXRやメタバース体験を可能にします。
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衛星通信(NTN)のサポート: 地上ネットワークが届きにくいエリアでも通信を可能にするため、衛星を活用した非地上ネットワーク(Non-Terrestrial Network)をサポートします。
周波数バンド
5G-Advancedでは、5Gで利用されている周波数帯に加え、新たな周波数帯の利用も進められています。
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Sub-6GHz帯: 5Gで主に利用されている周波数帯ですが、5G-Advancedでは既存の周波数帯の効率的な利用や帯域幅の拡張が進められます。
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ミリ波帯: 5Gの高速大容量通信を担う周波数帯(26GHz帯、28GHz帯など)ですが、5G-Advancedではさらに高周波数帯(40GHz帯など)の利用も検討されています。これにより、さらなる大容量通信が可能になります。
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新たな周波数帯: 5G-Advancedでは、6.425GHz~7.125GHz帯といった新たな周波数帯も活用することで、より広い帯域幅と通信の高性能化を目指します。また、52.6GHzから71GHzといったより高い周波数帯も利用可能になるよう、仕様の策定が進められています。