SIGLENT(シグレント)ベクトル信号発生器 SSG6082A-V シリーズ

6.5GHz帯無線LANのAFC (Automated Frequency Coordination) システムは、この周波数帯を他の既存無線システムと共用するための仕組みです。特に、6.5GHz帯はすでに固定通信システムや公共業務用の無線システムに利用されているため、これらのシステムへの干渉を防ぐ目的で導入されます。

 

AFCシステムの仕組み

 

AFCシステムは、Wi-Fiアクセスポイント(AP)と連携して以下のステップで動作します。

  1. 位置情報の取得: Wi-Fi APはGPSなどを利用して自身の位置情報を取得します。

  2. 問い合わせ: APが、使用したい周波数帯や送信出力などの情報を、インターネット経由でAFCシステムに問い合わせます。

  3. 干渉計算: AFCシステムは、データベースに登録されている既存の無線局(固定通信システムなど)の位置情報や諸元と、APから提供された情報を基に、干渉が発生しないかどうかを計算します。

  4. 利用可否情報の提供: 計算の結果、干渉しないと判断された利用可能な周波数チャネルや最大送信出力の情報を、APに返答します。

  5. 設定と運用: APは、AFCシステムから受け取った情報に基づいて、自動的に送信電力や使用するチャネルを設定し、電波を発射します。

この一連の流れを自動で行うことで、6.5GHz帯の広帯域な周波数を、既存の無線システムに影響を与えることなく効率的に利用できるようになります。


 

AFCシステムが重要になる背景

 

Wi-Fi 6E以降、より高速で安定した通信を実現するために、2.4GHz帯や5GHz帯に加えて6GHz帯が利用されるようになりました。さらに、日本では6GHz帯の一部を拡張して**6.5GHz帯(6570MHz〜6870MHz)**の活用も検討されています。

しかし、この周波数帯はすでに免許を必要とする固定通信システム(電気通信事業者のバックホール回線や公共業務用の通信回線など)が利用しています。これらのシステムは、高い信頼性が求められる重要なインフラです。

そのため、免許不要の無線LANが6.5GHz帯を使用する際には、既存のシステムに干渉を与えないよう細心の注意を払う必要があります。AFCシステムは、この干渉回避を自動で行うための重要な技術として、導入が進められています。AFCの導入により、屋外でのWi-Fi利用など、より高い出力での運用が可能になる「SPモード」の実現も検討されています。

 

 

参考:電波監理審議会(第1137回)会議資料 日時 令和6年12月13日(金)

電波監理審議会(第1137回)報告資料
周波数再編アクションプラン(令和6年度版)

 

 

 

T&MコーポレーションではNEXTEM社と協調してSIGLENT社、Ceyear社の電子計測器(スペアナ, VSG, VNA等)による 6.5GHz帯WLANの評価に必要な電子測定器、システムの提案を行っております。お気軽にお問い合わせフォームよりご相談くださいませ。
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