電源の具体的な製品構成例と選定ポイント

電源装置は、用途に応じてさまざまな仕様や構成で選定されます。ここでは、代表的な使用シーンごとに構成例と、製品選定時に考慮すべきポイントをご紹介します。

■ 製品構成例①:電子回路の評価用(研究・教育機関向け)

構成例:

  • 可変DC電源(出力:0~30V、0~5A)

  • オシロスコープ(電源波形確認用)

  • マルチメーター(電圧・電流測定)

  • ブレッドボード・試作基板

選定ポイント:

  • 出力電圧・電流の調整範囲

  • 電圧・電流制限機能(CV/CCモード)

  • ノイズ性能(リップル、雑音電圧)

  • 安全機能(過電流・過熱保護)

  • 教育現場での取り扱いやすさ(表示の見やすさ、操作性)

■ 製品構成例②:開発・品質管理部門(産業用評価)

構成例:

  • プログラマブルDC電源(LAN/USB制御対応)

  • データロガー付きマルチメーター

  • 熱電対やセンサー類

  • ソフトウェアによる遠隔モニタリング環境

選定ポイント:

  • 通信インターフェース(USB, LAN, RS-232など)

  • 複数出力チャネルの有無

  • 出力安定性・立ち上がり時間

  • 試験自動化に対応したSCPIコマンド互換性

  • 長時間稼働に対する信頼性

■ 製品構成例③:組込製品・装置組込み用

構成例:

  • 固定出力の小型スイッチング電源(例:5V 2A)

  • 組込み制御基板(マイコン、FPGA)

  • 絶縁型電源モジュール(必要に応じて)

選定ポイント:

  • 出力電圧・電流の定格と安定性

  • 装置の発熱制限(効率の良さ)

  • サイズ・重量・実装性

  • EMC対策(ノイズ、突入電流)

  • 安全規格への適合性(CE, ULなど)

■ 製品構成例④:屋外または移動用途

構成例:

  • ポータブルバッテリー電源(USB/AC/DC出力)

  • ソーラーパネル(再充電用途)

  • 測定器・ノートPCなどの可搬機器

選定ポイント:

  • 容量(Wh)、使用可能時間

  • 出力形状(AC/USB/DCなど)と出力数

  • 耐候性(防水、防塵)

  • 本体の重さ・持ち運びやすさ

  • 安全機能(過放電保護、ショート保護)

電源選定時のチェックリスト

項目 確認ポイント例
出力電圧・電流 機器の必要条件を満たすか
精度・安定性 測定・試験用途では特に重要
可変機能・制御方法 マニュアル操作 or PC連携
保護回路 過電流、過電圧、過熱、短絡対応
通信インターフェース USB、LAN、GPIB等、環境に適しているか
サイズ・重量 設置環境、移動性を考慮
ノイズ・リップル 高精度用途ではノイズの少なさが重要
規格・認証 CE、UL、PSEなど対象国の安全基準適合か

今後の用途や予算、拡張性を踏まえて、最適な電源装置を選定することが重要です。
技術相談や製品比較のサポートも承っておりますので、お気軽にお問い合わせください。

T&Ⅿコーポレーション株式会社より