SIGLENT (シグレント)スペクトラム・アナライザ SSA5000Aシリーズ

BS放送、4K放送、8K放送では、それぞれ異なる変調方式が採用されています。変調とは、情報を電波に乗せるための技術で、画質の向上に伴い、より多くの情報を送るために変調方式も進化してきました。

 

BS放送(2K)

 

現在のBSデジタル放送(フルハイビジョン、2K)では、TC-8PSK (Trellis Coded 8-Phase Shift Keying)という変調方式が使われています。8PSKは、位相を8つの異なる角度に変化させて情報を伝送する方式で、TC(トレリス符号化)と組み合わせることで、誤り訂正能力を高めています。


 

4K・8K放送

 

2018年に開始されたBS4K・8K放送では、ISDB-S3という新しい伝送方式が採用されており、その中で16APSK (16-Amplitude Phase Shift Keying)や32APSK64APSKといった変調方式が用いられます。

放送種別 画素数(解像度) 変調方式
BS放送 (2K) 1920 × 1080 TC-8PSK
4K・8K放送 4K: 3840 × 2160<br>8K: 7680 × 4320 16APSK / 32APSK / 64APSK

APSK(Amplitude Phase Shift Keying)は、位相だけでなく振幅も変化させて情報を伝送する方式です。これにより、位相しか使わないPSK方式よりも1回で多くの情報を送ることが可能になり、2K放送の約4倍、8K放送の約16倍もの情報量に対応できるようになっています。

例えば、16APSKは1回の変調で4ビットの情報を送ることができます。

これにより、高画質の映像データを効率的に伝送することが可能になります。テレビが4Kや8K放送に対応しているかどうかの重要な要素は、この新しい変調方式に対応したチューナーを搭載しているかどうかにかかっています。