DC電子負荷装置とは?基本から応用までの解説

DC電子負荷装置(DC Electronic Load)は、直流電源やバッテリーなどの電源機器に対して任意の負荷条件を再現するための装置です。これにより、電源機器の性能評価、信頼性検証、安全性試験などが可能となり、研究開発から製造・検査、教育現場まで広く活用されています。

 

DC電子負荷装置の基本機能

  • 電流の吸収:外部からの直流電流を消費(吸収)し、電源に疑似的な負荷を与える。

  • 動作モードの選択

    • CC(定電流)モード

    • CV(定電圧)モード

    • CR(定抵抗)モード

    • CP(定電力)モード

  • 過渡応答性能:負荷電流の高速変動に対応し、電源の動的な応答特性を測定可能。

  • 保護機能:過電圧、過電流、過熱保護などにより、被試験機器や装置自身を保護。

 

主な用途と活用シーン

● 電源機器の性能評価

リニア電源やスイッチング電源の出力特性、負荷変動時の挙動、出力安定性や過渡応答を確認します。

● バッテリー評価

放電試験やバッテリー容量測定、充電・放電サイクル試験に活用。劣化診断や熱暴走対策の検証にも有効です。

● 教育・研究用途

高等専門学校・大学において、電源回路やエネルギー変換技術の学習に利用されます。学生の実験実習や研究テーマにも対応可能です。

 

種類とその特長

  • 単出力モデル:1系統の電源試験に特化。操作もシンプルで教育用途やラボ評価に最適。

  • 多出力モデル:複数チャネルで同時測定が可能。大規模システムや量産検査に対応。

  • プログラマブル型:PC・PLC制御が可能で、自動試験や連続運転などの条件再現に最適。

 

機種選定時のチェックポイント

  • 定格電圧・電流・電力:評価対象機器のスペックに対応しているか。

  • 応答速度:パルス応答や高速過渡変動に追従可能か。

  • 外部インターフェース:USB、RS232、GPIB、LANなど、自動化・ログ取得に対応しているか。

  • 操作性・視認性:タッチスクリーンやGUIの搭載有無、視認性の高いディスプレイの有無。