
総務省は、不法無線局の疑いのある無線機器(いわゆる「偽基地局」)からの携帯電話サービスへの混信事案が確認されたとして、国民に対し注意喚起を行っています(2025年5月2日公表)。
この偽基地局は、主にフィッシング詐欺を目的として悪用されており、携帯電話の利用者が被害に遭う可能性があるため警戒が必要です。
関連リンク
🔗総務省 不法無線局の疑いのある無線機器からの携帯電話サービスへの混信 ~フィッシング詐欺等のSMSにご注意ください~
https://www.soumu.go.jp/menu_kyotsuu/important/kinkyu02_000604.html
🔗総務省 フィッシング詐欺とは?
https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/cybersecurity/kokumin/basic/risk/04/
【通信が丸見えに】総務省が異例の警告!スマホ回線を奪うニセ基地局の脅威!は、偽基地局の仕組みや接続時の被害について詳しく解説しており、総務省の警告の背景を理解するのに役立ちます。
偽基地局の危険性と被害の兆候
偽基地局は、通常の4G/5G通信を妨害し、スマートフォンを一時的に圏外状態にすることで、スマートフォンを旧規格の2G(GSM)通信に接続させようとします。日本では2Gサービスはすでに終了しているため、2Gに接続すること自体が非常に不自然な状況です。
偽基地局接続時の主なリスク
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フィッシング詐欺目的のSMS受信
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偽基地局に接続されると、正規の通信事業者などを装った不審なSMS(ショートメッセージ)が届くことがあります。
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このSMSに記載されたURLにアクセスすると、個人情報やパスワードなどを盗み取るための偽サイト(フィッシングサイト)に誘導される危険があります。
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通信内容の傍受・盗聴
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2G通信は認証や暗号化の脆弱性があるため、偽基地局を経由することで、通話内容やSMSの内容が傍受・盗聴される可能性があります。
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位置情報や識別番号の窃取
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スマートフォンの識別番号(IMSIなど)や、接続時の位置情報が追跡・取得される可能性があります。
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通信の妨害
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正規の通信が妨害され、突然圏外になったり、通信が切断されたりすることがあります。
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被害にあっている可能性のある兆候
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スマートフォンが突然圏外になる、または通信速度が異常に遅くなる。
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スマートフォンの電波表示が、通常使用されていない「2G」や「GSM」と表示される。
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見知らぬ番号や不審な内容のSMS(特に外国語やリンク付き)が届く。
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バッテリーの異常な消耗や、通話の途切れが頻繁に起こる。
ユーザーが行うべき対策
総務省や携帯電話会社は、以下の対策を呼びかけています。
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不審なSMSは絶対に開かない
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内容に心当たりのない不審なSMSを受信した場合は、URLへアクセスしたり、個人情報やパスワードを入力したりすることは絶対に避けてください。
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即座に削除するか、公式アプリやブックマークから正規のサービスサイトにアクセスして確認してください。
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2G通信の無効化(Android端末の一部)
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機種によっては、スマートフォンの設定から2G(GSM)通信を無効にできる場合があります。設定を確認し、無効にすることで被害を防げる可能性があります。
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iPhoneの対策
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iPhoneには2Gをオフにする個別の設定はありませんが、セキュリティ機能である「ロックダウンモード」の活用が推奨されています。
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