
はい、GaNの寄生容量を3000Vのような高電圧で測定できる計測器は存在します。
「TECHMIZE社 TH51xシリーズ」は、まさにそのような用途のために設計された製品です。
TECHMIZE TH51xシリーズ
TECHMIZEのTH51xシリーズは、高電圧半導体のC-V特性(容量-電圧特性)や寄生容量を測定するために特化された装置です。このシリーズには、測定電圧の異なるモデルがいくつかあり、TH513モデルは最大3000Vのバイアス電圧に対応しています。これにより、GaNデバイスなどの高耐圧半導体の寄生容量を高電圧印加状態で正確に測定できます。
主な特徴
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高バイアス電圧: 最大3000VのDCバイアス電圧を印加できます。これはGaNパワーデバイスの寄生容量の電圧依存性を評価する上で非常に重要です。
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多パラメータ測定: GaNデバイスの寄生容量として重要な、Ciss(入力容量)、Coss(出力容量)、Crss(帰還容量)、Rg(ゲート抵抗)といったパラメータを同時に測定・表示できます。
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周波数範囲: 1kHzから2MHzの範囲でインピーダンス測定が可能です。
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CVカーブスキャン機能: ゲート電圧(Vgs)やドレイン-ソース間電圧(Vds)をスイープしながら、寄生容量の変化をグラフ化する機能があります。これにより、デバイスの動作領域における容量の特性を詳細に分析できます。
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なぜ高電圧での測定が必要か?
GaNパワーデバイスの性能を評価する上で、寄生容量の正確な把握は欠かせません。寄生容量はスイッチング動作時の損失に大きく影響するため、デバイスの動作電圧に近い高電圧下での容量特性を把握することは、実際の回路設計において非常に重要です。
特に、高電圧デバイスでは寄生容量が電圧に依存して変化する非線形性を示すことが知られています。TECHMIZE TH51xシリーズのような高電圧対応測定器は、この非線形な容量特性を実動作に近い条件で測定できるため、より精度の高いデバイスモデルを構築したり、スイッチング損失を正確に予測したりするのに役立ちます。