
「Gigantic MIMO」(ギガンティック・マイモ)は、6G(第6世代移動通信システム)で検討されているMassive MIMOの進化形です。Massive MIMOが数十から数百のアンテナを使用するのに対し、Gigantic MIMOは、数千から数万という膨大な数のアンテナ素子を基地局に搭載し、より高精度な通信を実現することを目指しています。
ギガンティックMIMOの仕組みと特徴
1. 超高解像度な電波の空間制御
ギガンティックMIMOは、膨大な数のアンテナを制御することで、電波を非常に細かく、正確に制御できます。これにより、ビームフォーミングの精度が飛躍的に向上します。従来のMassive MIMOでは困難だった、電波の反射や散乱を利用した間接経路の活用が可能となり、見通し外の通信品質も改善されます。
2. 周波数とアンテナの同時活用
5Gでは主にミリ波帯の利用が拡大しましたが、6Gではテラヘルツ帯の利用が検討されています。テラヘルツ帯は非常に高い周波数帯で、大容量のデータを伝送できますが、電波の直進性が強く、減衰しやすいという課題があります。ギガンティックMIMOは、このテラヘルツ帯と組み合わせることで、減衰を補いながら超高速通信を実現することが期待されています。
3. 高精度なセンシングと通信の融合
膨大な数のアンテナは、通信だけでなく、高精度な電波センシングにも利用できます。例えば、周囲の物体や人の動きを検知し、それに応じて電波を最適化する「スマート電波環境」の構築が可能となります。これは、通信とセンシングが一体となった新しい通信パラダイムであり、6Gの主要な特徴の一つと考えられています。
ギガンティックMIMOがもたらす未来
ギガンティックMIMOは、6Gが目指す「サイバー・フィジカル融合」の実現に不可欠な技術です。
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超低遅延・高信頼な通信: 自動運転や遠隔手術など、リアルタイム性が求められるサービスにおいて、非常に高い信頼性のある通信を提供します。
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没入型XR体験: 超高精細な映像や、触覚などの情報を瞬時に伝送することで、よりリアルな拡張現実(AR)や仮想現実(VR)体験を可能にします。
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空間コンピューティング: 空間そのものを情報処理の場として活用し、あらゆるモノがシームレスに接続されるスマートシティなどの実現に貢献します。
ギガンティックMIMOは、電波を単なる通信手段としてではなく、空間を情報化するための重要なツールとして捉える、6Gの革新的なアプローチの一つと言えるでしょう。
Giga-MIMO is the foundation for wide-area 6G By RCR Wireless Newsが参考になるでしょう。
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