オシロスコープで電流を測定するには?
オシロスコープは本来、電圧波形を観測する装置ですが、電流測定にも対応可能です。
ただし、電圧と異なり、直接プローブを当てるだけでは電流を測定できないため、測定には電流プローブやシャント抵抗などの補助手段が必要です。
電流測定の主な方法
1. 電流プローブを使う方法(クランプ式)
概要:電流プローブ(クランプ)を導体に挟むことで、電流の磁界から波形を測定
特長:非接触・安全、高周波の電流も観測可能
用途例:モーター、インバータ、スイッチング電源、EMI測定など
注意:プローブの帯域や精度に注意し、使用前にゼロ調整が必要です。
2. シャント抵抗を使う方法(電圧変換式)
概要:電流の流れる回路に既知の低抵抗(シャント)を挿入し、その両端電圧をオシロで測定
計算式:I = V / R(電流 = 測定電圧 ÷ 抵抗値)
特長:構成が簡単で、低コスト。直流〜低周波に適する
注意:抵抗による電圧降下、発熱、絶縁・安全対策が必要です。
AC電流とDC電流、どちらも測定可能?
AC電流:ほとんどの電流プローブが対応
DC電流:DC対応プローブが必要(ホール素子タイプなど)
パルス電流や突入電流:高帯域プローブと十分なサンプリング速度が必要
使用時の注意点
測定帯域は電流プローブとオシロスコープの両方で確認
グラウンドループによるノイズやショートに注意(特にシャント方式)
プローブ校正を忘れずに実施
シャント法では差動プローブや絶縁型プローブの併用も有効
電流測定に適したプローブの種類
プローブタイプ | 測定可能な電流 | 特長 |
|---|---|---|
クランプ型電流プローブ | AC/DC | 非接触、安全、高周波対応モデルもあり |
シャント+標準プローブ | AC/DC(低帯域) | 安価で簡易測定に向く |
光アイソレーション型 | 高速・絶縁測定 | 高精度かつ絶縁が必要な場合に最適 |
差動プローブ | 両端電圧測定 | シャント抵抗と併用で正確な波形取得が可能 |
まとめ
オシロスコープで電流を測定するには、電流を電圧に変換して観測する手法が基本となります。
用途や周波数帯域に応じて、電流プローブ・シャント抵抗・差動プローブなどを適切に組み合わせることで、安全かつ高精度な電流波形の観測が可能になります。










