スプリットリング共振器(SRR)やマイクロ波回路において、Q値(Quality Factor)を向上させることは、センシングの感度を高めたり、フィルタの選択性を鋭くしたりするために極めて重要です。
Q値は「蓄えられるエネルギー」と「失われるエネルギー」の比であるため、向上させるには損失をいかに抑えるかが鍵となります。
1. 導体損失(Ohmic Loss)の低減
金属部分での電気抵抗による熱損失を抑える手法です。
高導電率材料の採用: 銅(Cu)よりも導電率の高い銀(Ag)や金(Au)のメッキ、あるいは超電導材料を用いることで抵抗を最小化します。
表面粗さの改善: 高周波(GHz帯以上)では表皮効果により電流が導体表面に集中します。基板や金属パターンの表面を鏡面仕上げにすることで、実効的な経路長と抵抗を減らします。
厚膜化: 導体の厚みを表皮深さ(Skin Depth)以上に十分厚く設計し、抵抗成分を下げます。
2. 誘電体損失(Dielectric Loss)の低減
基板材料によるエネルギー吸収を抑える手法です。
低 tan δ 基板の選択: ガラスエポキシ(FR-4)ではなく、テフロン系基板(Rogersなど)やセラミックス、石英(Fused Silica)などの低損失材料を使用します。
基板の除去(空洞化): 共振器の周囲やギャップ部分の基板をエッチングで取り除き、空気(tan δ ≈ 0)に露出させることで誘電損失を劇的に減らします。
3. 放射損失(Radiation Loss)の抑制
電磁波が外部へ逃げてしまうのを防ぐ手法です。
シールド構造: 共振器を金属パッケージやキャビティ内に封入し、エネルギーを閉じ込めます。
相補型構造(CSRR)の利用: プレナー(平面)回路において、金属面に穴を開ける形の相補型スプリットリング共振器(CSRR)を用いることで、放射を抑えつつ高い閉じ込め効果を得られる場合があります。
対称性の利用: 近接した複数のSRRを逆位相で共振させる(ダークモードの利用など)ことで、遠方界への放射を相殺し、極めて高いQ値を実現する手法もあります。
4. 構造・設計による最適化
ギャップ幅の調整: スプリット(ギャップ)部分の電界集中を最適化します。ギャップを狭くするとキャパシタンスが増え小型化できますが、電界が集中しすぎて損失が増える場合があるため、バランスが重要です。
マルチリング構造: 二重、三重のリングを組み合わせることで、磁界の閉じ込め効率を向上させます。
超回路(Metasurface)化: 単体ではなく、アレイ状に配置して結合係数を制御することで、システム全体の共振を鋭くします。
Q値向上のトレードオフ
Q値を高くすると、以下の点に注意が必要です。
帯域幅の減少: Q = f0 / Δ f であるため、Qが高くなるほど動作帯域は狭くなります。
環境変化への過敏性: 温度膨張や湿度によるわずかな変化で共振周波数がズレやすくなるため、堅牢なパッケージングが求められます。
PR:
製品紹介:SIGLENT社
SAP4000PSIGLENT SAP4000P アクティブ・プローブ 4GHz、35V1,067,000円詳しく見るT&M 即納ストアで購入
パワーインテグリティ測定用シグレント・パワーレールプローブSAP4000P
SAP4000P パワーレール・プローブ, 4 GHz, オフセット電圧範囲:±24 V, ¥880,000
![]() | ![]() |
![]() | |
https://tm-co.co.jp/SAP4000P_UserManual
PR:
![]() ・USB VNA | ![]() |
![]() | SDS8000Aシリーズ オシロスコープ 特長と利点 |
![]() | SSG6M80Aシリーズ |
![]() | ![]() |
![]() | SSA6000A Series Signal Analyzer Main Features |
![]() | SNA6000A Series Vector Network Analyzer Key Features |
お礼、
T&Mコーポレーションは設立5年ですが、おかげさまで業績を着実に伸ばしており、
オフィスを港区芝(最寄り駅浜松町)に移転し、スペースも拡大いたしました。
電子計測器業界の「ゲームチェンジャー」として、高性能/高信頼/低価格/短納期を武器に
T&Mコーポレーションはお客様のご予算を最大限生かす製品群をご提案させていただいております。





















