Ceyear社(セイヤー) 4082シリーズ シグナル・スペクトラムアナライザ

InGaAs MOSHEMT と GaN-on-Si E-mode MOSHEMT は、それぞれ異なる材料特性に基づき、優れた高周波特性を示します。主な高周波特性は、遮断周波数 ()最大発振周波数 () で評価されます。

 

InGaAs MOSHEMT

 

InGaAsは電子移動度が高く、GaAsやSiと比べて格段に高速なスイッチングが可能です。これにより、、高 を実現します。特に、ゲート長を短くすることで、が350 GHz以上、fmaxが550 GHz以上といった、非常に優れた特性が得られています。この特性は、ミリ波やテラヘルツ波帯の通信デバイス、特に超高速トランジスタや低ノイズ増幅器に利用されます。

 

GaN-on-Si MOSHEMT

 

GaNは広いバンドギャップを持ち、高い耐圧と出力密度を実現します。GaN-on-Siは、高価なGaN基板の代わりに安価なSi基板を使用することでコストを抑えつつ、GaNの優れた特性を活かします。E-mode(エンハンスメントモード)は、通常ONのD-mode(デプレッションモード)と異なり、ゲート電圧を印加しないとOFFになるため、回路の簡素化や消費電力の低減に貢献します。

GaN-on-Si E-mode MOSHEMTは、InGaAsほど高い電子移動度はないものの、高耐圧、高出力という特長から、マイクロ波帯のパワーアンプや高効率スイッチング電源に広く利用されます。高周波特性としては、数GHzから数十GHz帯で高い性能を発揮し、基地局やレーダーシステムなど、高い出力と信頼性が求められる用途に適しています。


 

比較のまとめ

 

特性 InGaAs MOSHEMT GaN-on-Si E-mode MOSHEMT
主な特長 高い電子移動度、超高速動作 高耐圧、高出力、低コスト
/ 非常に高い ( > 350 GHz) 高い (数GHz〜数十GHz)
主要用途 ミリ波/テラヘルツ通信、低ノイズ増幅器 マイクロ波パワーアンプ、スイッチング電源
材料特性 格子定数の整合、高速電子 広いバンドギャップ、高耐圧
利点 超高速、高周波性能 高出力、高効率、コスト効率

InGaAsは速度を極限まで追求する用途、GaN-on-Siは電力効率が重要な用途にそれぞれ強みを発揮します。

 

 

T&MコーポレーションではNEXTEM社と協調してCeyear社の電子計測器(スペアナ、VSG、VNA)による ミリ波帯評価に必要なシステムの提案を行っております。お気軽にお問い合わせフォームよりご相談くださいませ。
http://tm-co.co.jp/contact/

 

 

 

 

 
下記資料では「次世代パワー半導体を理解するためのパワエレ基礎」について動画で詳しく解説されています。
 
 
次世代パワー半導体を理解するためのパワエレ基礎コース-パワエレ初級から中・上級へステップアップしよう!全12回視聴して、初級から中・上級へステップアップ確実!うけおいます! 【本シリーズ全12回のリスト】
第1回 整流ダイオード、バイポーラトランジスタ、ショットキーバリアダイオードの基本原理を理解し、バイポーラ型・ユニポーラ型の長所短所を知ろう
第2回 MOSFET、IGBT、サイリスタの基本原理を理解し、オンオフさせる妙技を知ろう   • ②MOSFET、IGBT、サイリスタの基本原理を理解し、オンオフさせる妙技を知ろう-...  
第3回 そもそも電力変換って何?4つの方式を知るだけで全ての電力変換がわかる    • ③そもそも電力変換って何?4つの方式を知るだけで全ての電力変換がわかる-次世代パワー...  
第4回 電力変換効率とその計算法と省エネが求められる諸般の事情+蛍や人間の生態系エネルギー効率は?
第5回 Web回路シミュレーターの活用(ボタンを選択するだけ!パワエレの回路動作がビジュアルで理解できる便利な無料ツール!)
第6回 Si-IGBTの新構造が続々登場!進化はまだまだ止まらない
第7回 SiC, GaN, 酸化ガリウムGa2O3, ダイヤモンド半導体を全部解説
第8回 パワーデバイスの最新応用例(特にSiCなど次世代パワーデバイスを中心に解説) a)PFC回路 b)サーバー、通信
第9回 パワーデバイスの最新応用例(特にSiCなど次世代パワーデバイスを中心に解説) c)太陽光発電 e)蓄電システム
第10回 パワーデバイスの最新応用例(特にSiCなど次世代パワーデバイスを中心に解説) e)UPS f) インダクション・ヒーター
第11回 パワーデバイスの最新応用例(特にSiCなど次世代パワーデバイスを中心に解説) g) 急速充電 h) ワイヤレス給電
第12回(シリーズ最終回) SiCパワー半導体の電気自動車EVへの使用例(走行用インバータ、オンボード充電器を一気に解説)
 
【本パワエレ基礎コースの目次】
1.パワーエレクトロニクスの基本の基本編 a)パワー半導体デバイスの種類 次世代パワー半導体の理解を目的に分類し特長を解説 (整流ダイオード、バイポーラトランジスタ、MOSFET、IGBT、GTO) b)そもそも電力変換って、何のために、何をしてるの? 4方式(DCDC、DCAC、ACDC、ACAC)の例を挙げて理解
2.損失の考え方と電力変換の高効率化 a)電力変換とは?その測定例 b)高効率が求められる背景 c)MOSFET損失の簡単な計算例 d)Web回路シミュレーターの活用
3.次世代パワーデバイスの種類と概説 a)Si-IGBTの新構造が続々登場 b)シリコンカーバイド c)窒化ガリウム d)酸化ガリウム e)ダイヤモンド
4.パワーデバイスの最新応用例 (特にSiCなど次世代パワーデバイスを中心に解説) a)PFC回路 b)サーバー、通信 c)太陽光発電 d) 蓄電システム e) UPS f)インダクション・ヒーター g)急速充電 h) ワイヤレス給電 i) 電気自動車への利用(オンボード充電器、トラクションモーター)
5. その他(本シリーズ外で動画公開中+順次新規公開) a)パワーデバイスの市場動向(2,3カ月毎) b)パワーMOSFETの高性能を引き出す設計例 c)新興アプリケーション紹介
 
--------このチャンネルの目的------------
 
SiCパワーデバイスの最新技術や特徴を分かりやすく説明したYouTubeチャンネルです。    / @sic-powersemiconductor   パワー半導体とは?なんに役立ってるの? 最近よく聞くワイドバンドギャップ・パワー半導体って何? なぜ今、SiC、GaN、酸化ガリウムやダイヤモンドが注目を浴びているの? シリコンのパワー半導体と比べて何が違うの?その特徴と長所は? どんなところ(装置や製品)に使われるの? パワー半導体の旬な情報を丁寧に分かりやすい動画にしてアップしています。 資料のご請求・ご質問がありましたらいつでもご連絡下さい。
 
出典:SiCパワー半導体推進部