IPトランシーバーと、その他の代表的な無線機(トランシーバー)との違いを、仕組みや通信距離、手続きなどの観点から比較してご説明します。
IPトランシーバーの最大の特徴は「携帯電話の通信網を使う」という点です。
🗂️ 無線機(トランシーバー)の種類別比較
| 特徴 | IPトランシーバー(IP無線機) | デジタル簡易無線機(登録局) | 特定小電力トランシーバー | 携帯電話・スマートフォン |
| 通信の仕組み | 携帯電話網やWi-Fiなどのデータ回線を利用 | 端末同士が直接電波を送受信 | 端末同士が直接電波を送受信 | 携帯電話網を利用 |
| 主な通信エリア | 日本全国(携帯電話のサービスエリア内) | 数百m〜10km程度(電波の届く範囲) | 数十m〜数百m(近距離専用) | 日本全国(サービスエリア内) |
| 通話方式 | 1対多の同報、個別通話、同時通話(機種による) | 1対多の同報(交互通話が基本) | 1対多の同報(交互通話が基本) | 1対1の通話、グループ通話(アプリによる) |
| 免許・登録 | 不要(原則) | 登録が必要(5年更新) | 不要 | 不要(キャリア契約が必要) |
| コスト | 月額のデータ通信料が発生 | 機材購入費のみ(登録申請費用、更新費用あり) | 機材購入費のみ | 月額の回線使用料が発生 |
| 混信・盗聴 | 混信しにくい。データ暗号化でセキュリティが高い。 | 混信の可能性あり(デジタル化で低減) | 混信の可能性あり | なし |
| 主な用途 | 長距離運行(物流)、広域イベント、タクシー・バス配車、大規模工事現場など | 広域な建設現場、イベント会場、警備業など | 小売店、飲食店、病院、小規模イベント、レジャーなど | 個人間、ビジネスでの個別連絡 |
💡 違いのポイント解説
1. 通信エリアの広さ
| 種類 | 特徴 |
| IPトランシーバー | 圧倒的に広い。携帯電話のエリア内であれば全国通信可能。 |
| 簡易無線機 | 中距離〜長距離。電波出力が高いため、遮蔽物の影響を受けつつも数km~10km程度の通信が可能。 |
| 特定小電力 | 極めて狭い。電波出力が小さいため、同一建物内や近隣での利用に限定される。 |
2. 免許・登録手続き
| 種類 | 特徴 |
| IPトランシーバー | 原則不要。携帯キャリアの回線を利用するため。 |
| 簡易無線機 | 必要。電波法に基づく「無線局の登録」が必要。(更新あり) |
| 特定小電力 | 不要。電波の出力が極めて弱いため。 |
3. 仕組みと安定性
-
IPトランシーバーはデータ回線を介すため、建物や障害物に電波が遮られにくく、音質がクリアで安定しています。ただし、携帯電話が圏外の場所では使えません。
-
簡易無線機や特定小電力は端末が直接電波を飛ばすため、電波が建物や山に遮られると通信が途切れる可能性が高くなります。
IPトランシーバーは、「広範囲での一斉連絡」という無線機の利便性と、「全国どこでも繋がる」という携帯電話の利便性を組み合わせたものと言えます。
![]() |
SSG6M80Aシリーズ ・Coming soon
|
![]() |
![]() |
![]() |
SSA6000A Series Signal Analyzer Main Features ・Coming soon
|
![]() |
SNA6000A Series Vector Network Analyzer Key Features
|












