「300-GHz Band Laminated Resonator Antenna」は、300 GHz(ギガヘルツ)帯というテラヘルツ波に近い高周波数帯域で使用される積層型(ラミネート型)の共振器アンテナの一種です。
これは、Beyond 5Gや6Gといった超高速・大容量の次世代無線通信を実現するために研究・開発されているアンテナ技術です。
主な特徴と関連する技術は以下の通りです。
📌 主な特徴
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高周波数帯での使用(300 GHz帯):
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300 GHz帯は、非常に広い周波数帯域を利用できるため、100 Gbps(ギガビット毎秒)以上の超高速通信を実現する技術として期待されています。
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この周波数帯の電波は伝搬損失が大きいため、実用化には高い利得(電力を集中させて遠くまで飛ばす能力)を持つアンテナが必要です。
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積層型(Laminated Structure):
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アンテナ素子や給電線などが複数の層(レイヤー)に積層された構造を持っています。これにより、小型化や高性能化、回路との集積化が容易になります。
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共振器アンテナ(Resonator Antenna):
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共振器(特定の周波数の電波を強く蓄える構造)の原理を利用して電波を放射するアンテナです。
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誘電体共振器アンテナ(Dielectric Resonator Antenna, DRA)などがこの種に分類され、金属導体による損失が少なく、特に高周波数帯において高い放射効率(効率よく電波を放出する能力)を持つという利点があります。
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📡 技術的な背景と用途
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テラヘルツ無線通信: 300 GHz帯はテラヘルツ波(THz波、0.3~3 THz)に近い周波数帯であり、次世代の超高速無線通信(Beyond 5G/6G)の基盤技術として研究が進められています。
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高利得化とビーム追従: 伝搬損失の大きいテラヘルツ波を効率よく伝送するため、この種のアンテナは高い利得と、通信相手を正確に捉え続けるビームフォーミングやビーム追従の技術と組み合わせて利用されます。
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応用: 光ファイバーの敷設が困難なエリアでの高速通信(光ファイバー代替)、走行車両向けの高速通信エリア構築、超大容量の近距離通信などに利用が想定されています。
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