
Massive MIMO (マッシブマイモ)は、5Gの主要な要素技術の一つで、基地局に多数のアンテナを搭載することで、通信速度と通信容量を飛躍的に向上させる技術です。
Massive MIMOの仕組み
Massive MIMOの基本的な考え方は、複数のアンテナを使って複数のデータの送受信を同時に行うMIMO (Multiple Input Multiple Output)を、さらに大規模にしたものです。
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多アンテナ: 基地局に数十~数百ものアンテナを搭載します。これにより、電波の送受信を効率化します。
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ビームフォーミング: 大量のアンテナを協調させて電波を特定のユーザーに向けて集中させることで、信号強度を高め、干渉を低減します。これにより、セルエッジ(基地局から離れた場所)でも安定した通信が可能になります。
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空間多重: 複数のユーザーに同時に電波を送信し、それぞれ専用の通信路を割り当てます。これは、一台の基地局が複数のユーザーと同時に通信できることを意味し、通信容量の大幅な拡大につながります。
5GとMassive MIMO
5Gでは、Massive MIMO技術とビームフォーミングを組み合わせることで、以下の利点を実現しています。
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高速大容量: 複数のユーザーに同時に複数のデータストリームを送信できるため、通信速度と全体の通信容量が増加します。
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多数接続: 空間多重により、多数の端末が同時に通信しても、個々の通信速度が低下しにくくなります。これにより、混雑した場所でも快適な通信が可能になります。
6GにおけるMassive MIMO
6G時代に向けて、Massive MIMOはさらに進化すると考えられています。
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超多素子化: アンテナ素子をさらに増やし、性能の向上を目指します。
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分散型Massive MIMO: これまでの基地局に集約されていたアンテナを、建物や街路灯などに分散配置する「分散型」が注目されています。これにより、セルという概念をなくし、よりユーザーに近い場所から電波を届けることで、どこにいても高品質な通信を実現することを目指しています。
T&MコーポレーションではNEXTEM社と協調してSIGLENT社、Ceyear社の電子計測器(VNA等)によるMassive MIMO評価システム提案を行っております。お気軽にお問い合わせフォームよりご相談くださいませ。
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