
差動Sパラメータとは
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- シングルエンドSパラメータ
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- 各ポート(入出力端子)の反射・透過特性を記述します。
- 4ポートの差動回路の場合、ポート1、2、3、4間のシングルエンドでの特性を記述します。
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- 差動Sパラメータ(ミックスモードSパラメータ)
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- 差動モードとコモンモードの信号の振る舞いを記述します。
- 4ポート(2つの差動ペア)の場合、以下の4種類の特性を定義します。
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- 差動モードから差動モード(Sdd)への伝達: 差動信号が、どれだけ差動信号として伝わるかを表します(挿入損失など)。
- コモンモードからコモンモード(Scc)への伝達: コモンモード信号が、どれだけコモンモード信号として伝わるかを表します。
- 差動モードからコモンモード(Scd)への変換: 差動信号が、どれだけコモンモード信号に変換されるかを表します。
- コモンモードから差動モード(Sdc)への変換: コモンモード信号が、どれだけ差動信号に変換されるかを表します。
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- シングルエンドSパラメータ
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- .sNpという形式をとり、Nがポート数を表します。
- 4ポート(s4p)の場合、2つの差動ペア、あるいは4つのシングルエンド信号を扱うことができ、その周波数特性を記述します。
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- 高速デジタル通信
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- USB、PCI Express、ギガビットイーサネットなどの高速インタフェースの差動信号路(配線パターン、コネクタ、ケーブルなど)のシミュレーションと評価に使われます。
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- シグナルインテグリティ(SI)解析
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- プリント基板上の差動配線の反射やクロストークなどの信号品質を解析します。
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- EMC(電磁両立性)解析
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- 差動モード信号がコモンモード信号に変換される特性(モード変換)を評価し、コモンモードノイズの発生を予測します。
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- 回路設計
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- 高周波回路やアナログ回路で、差動アンプやバランなどの設計・評価に利用されます。
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- 高速デジタル通信
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- 測定
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- 4ポートのネットワークアナライザ(VNA)を使って、対象の回路やデバイスのSパラメータを測定します。
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- ファイル出力
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- 測定したSパラメータは、タッチストーン形式のs4pファイルとして出力されます。
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- 解析・シミュレーション
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- SPICEシミュレータなどの回路シミュレーションソフトウェアに取り込み、回路全体の動作を解析します。
- MathWorksのMATLABなどでは、専用のツールボックスを使って、s4pファイルから差動Sパラメータを抽出し、解析できます。
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- 測定
こちらの資料では、差動Sパラメータ、ミックスドモードSパラメータ、平衡回路について詳しく解説されています。
EMC村の民「ミックスドモードSパラメータとは」より
ミックスドモードSパラメータは、平衡回路や差動伝送回路の特性を表すときに使用されるパラメータで、例えばUSBやHDMIといった高速の差動通信規格の評価に使用されています。 そこで今回は、まずはじめにSパラメータについて簡単におさらいした後に、ミックスドモードSパラメータの概要とその評価方法について解説します。
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EMC村の民「平衡回路と不平衡回路」より
平衡回路と不平衡回路の「特徴」と「用途」について解説します。
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EMC村の民「ポートネットワークアナライザの活用方法」より
SIGLENT製のSNA5004Aをもとに 4ポートネットワークアナライザ(VNA)の活用方法を解説しています。
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