光トランシーバ(Optical Transceiver)は、電気信号と光信号を相互に変換する装置であり、光ファイバ通信システムの中核を担う重要な部品です。データセンター、通信事業者ネットワーク、および企業ネットワークなどで、高速かつ長距離のデータ伝送を可能にします。
1. 基本原理と構成要素
光トランシーバの主な役割は、「送信」と「受信」の2つの機能をコンパクトなモジュール内に統合することです。
| 部品 | 役割 | 詳細 |
| 送信部 (TOSA) | 電気信号 → 光信号に変換 | 駆動回路から受け取った電気信号に基づき、レーザーダイオード(VCSEL, DFB, EMLなど)が光パルスを発生させ、光ファイバへ出力します。 |
| 受信部 (ROSA) | 光信号 → 電気信号に変換 | 光ファイバから届いた光パルスをフォトダイオード(PIN-PD, APDなど)で受け取り、微弱な電気信号に変換し、増幅器(TIA)で増幅します。 |
| 制御回路 (PCBA) | 動作制御と管理 | レーザーの温度や電流の制御、信号のエンコード/デコード、デジタル診断監視(DDM)などの機能を提供します。 |
2. 光トランシーバの種類とフォームファクタ
光トランシーバは、速度やサイズ、対応する通信距離によって様々な規格(フォームファクタ)が定められています。これらの規格は、活線挿抜(Hot-pluggable)が可能であり、ネットワーク機器のフロントパネルに装着して使用されます。
| 規格(フォームファクタ) | 略称 | 主な対応速度帯 | 特徴 |
| SFP | Small Form-factor Pluggable | 1 Gbps 〜 25 Gbps (SFP28) | 最も一般的で小型。長年にわたり使用されている。 |
| QSFP | Quad SFP | 40 Gbps 〜 200 Gbps (QSFP56) | SFPの4倍のチャネル(Quad)を持つ。高密度化に貢献。 |
| QSFP-DD | QSFP Double Density | 4400 Gbps 〜 800 Gbps (QSFP-DD800) | 電気レーン数を2倍(Double Density)にし、超高速化に対応。 |
| OSFP | Octal SFP | 400 Gbps 〜 800 Gbps (QSFP800) | QSFP-DDよりもわずかに大きく、より高い電力と放熱能力を持つ。 |
3. 高速化を支える主要技術
データ通信速度が 400 Gbps、800 Gbps、1.6 Tbps へと進化するにつれて、光トランシーバの高速化技術も進化しています。
A. PAM4 変調 (Pulse Amplitude Modulation 4-level)
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概要: 従来の NRZ (Non-Return to Zero, 2値) 変調が1シンボルで1ビットを伝送するのに対し、PAM4 は4つの振幅レベルを使用して1シンボルで2ビットのデータを伝送します。
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効果: 信号のシンボルレート(変調速度)を上げることなく、データ伝送速度を2倍にすることができ、高速化の主要な手段となっています。
B. DSP (Digital Signal Processor)
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概要: 超高速伝送では、信号の歪みやノイズが大きくなります。$\text{DSP}$ はモジュール内部に搭載され、受信したアナログ信号をデジタル処理することで、歪みを補償し、信号品質を回復させます。
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課題: $\text{DSP}$ は非常に高性能である反面、消費電力が大きいため、次世代の省電力ソリューション(LPO、CPOなど)では、その搭載が省略または簡略化されつつあります。
C. EML / VCSEL /TFLN
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光源技術:
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VCSEL(垂直共振器面発光レーザー):短距離・低コスト向け。
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EML(電界吸収型変調レーザー):中・長距離向け。高速化が進み、100 Gbaud の実現が目指されています。
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TFLN(薄膜ニオブ酸リチウム):究極の広帯域・低消費電力を実現する次世代変調技術。
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4. 主な応用分野
光トランシーバは、大容量データ通信が必要なあらゆる場所で不可欠です。
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データセンター (DC): サーバー、ストレージ、スイッチング機器間の接続。ラック内(短距離)、データセンター内(中距離)、データセンター間(長距離 DCI)のすべての階層で利用されます。
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電気通信ネットワーク: 5G/6G 基地局のフロントホール/バックホール、メトロ(都市圏)およびバックボーン(基幹)ネットワークでの大容量伝送。
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高性能コンピューティング (HPC) / AI: 大量の GPU や演算ノードを接続し、超高速かつ低遅延のクラスタリングを可能にします。
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型式 |
周波数帯域 |
Ch数 |
価格(税抜) |
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SDS7804AP |
8GHz |
4ch |
¥14,100,000 |
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SDS7604AP |
6GHz |
4ch |
¥10,500,000 |
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SDS7804A H12 |
8GHz |
4ch |
¥12,400,000 |
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SDS7604A H12 |
6GHz |
4ch |
¥6,800,000 |
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SDS7404A H12 |
4GHz |
4ch |
¥4,950,000 |
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SDS7304A H12 |
3GHz |
4ch |
¥3,850,000 |
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キャンペーン特典:オプションソフトウェア(84万円分)を無償提供
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対象機種 |
No |
オプション名 |
型式 |
価格(税別) |
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全機種 |
1 |
I2S トリガ&デコード |
SDS7000A-I2S |
¥120,000 |
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2 |
MIL-STD-1553B トリガ&デコード |
SDS7000A-1553B |
¥120,000 |
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3 |
FlexRay トリガ&デコード |
SDS7000A-FlexRay |
¥120,000 |
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4 |
CAN FD トリガ&デコード |
SDS7000A-CANFD |
¥120,000 |
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5 |
SENT トリガ&デコード |
SDS7000A-SENT |
¥120,000 |
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6 |
ARINC429 トリガ&デコー |
SDS7000A-ARINC |
¥120,000 |
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7 |
Manchester デコード |
SDS7000A-Manch |
¥120,000 |
SDS7000A製品の紹介ページ⇒http://tm-co.co.jp/products/siglent-sds7000a/




