電力付加効率(PAE: Power-Added Efficiency)は、特にRF(高周波)パワーアンプの性能を評価するための非常に重要な指標です。
PAEは、パワーアンプが外部から供給された直流(DC)電力を、どれだけ効率的にRF信号の増幅に利用できたかを示す割合です。
1. 🌟 PAEの定義と計算式
PAEは、出力RF電力と入力RF電力の差(つまり増幅によって加えられた有効なRF電力)を、消費したDC電力で割った値として定義されます。
![]() |
2. 💡 PAEの重要性
PAEは、単なる電力効率(ドレイン効率)よりも、アンプの性能を正確に評価するための指標として広く使われます。
-
バッテリー駆動時間の確保:
-
携帯電話などの移動体通信端末において、無線送信時の消費電力の大部分はパワーアンプが占めます。PAEが高いほど、同じ出力パワーを得るのに必要なDC電力が少なくなり、バッテリーの持続時間が長くなります。
-
-
熱対策(放熱):
-
PDC のうち、PRFout に変換されなかった電力の大部分は熱として消費されます。PAEが低いと発熱量が大きくなり、回路の損傷を防ぐための大掛かりな**ヒートシンク(放熱器)**が必要になります。高周波・高集積化が進むサブテラヘルツ帯の分野では、熱対策は特に深刻な課題です。
-
-
利得(ゲイン)の影響考慮:
-
ドレイン効率(ηD = PRFout / PDC)は増幅によって加えられた入力電力(PRFin)を考慮しません。一方、PAEは PRFin を分子から引くことで、DC電力が純粋にどれだけ増幅に貢献したかを測定します。ゲインが低いアンプの場合、ドレイン効率よりもPAEのほうがより実態に即した効率を示します。
-
豆知識: アンプのゲインが非常に高い場合(例えば30 dB以上)、PRFin は PRFout に比べて非常に小さくなるため、PAEはドレイン効率とほぼ同じ値になります。
サブテラヘルツ帯パワーアンプの開発では、高い周波数でPAEを**20%〜40%**といった実用的なレベルに維持することが、主要な技術課題の一つとなっています。
![]() |
SSG6M80Aシリーズ ・Coming soon
|
![]() |
![]() |
![]() |
SSA6000A Series Signal Analyzer Main Features ・Coming soon
|
![]() |
SNA6000A Series Vector Network Analyzer Key Features
|











