PFASフリー

「PFASフリー」とは、製品に**PFAS（ピーファス）**と呼ばれる特定の有機フッ素化合物が含まれていないことを意味します。

現在、環境汚染や健康への影響が懸念され、世界的に規制が進んでいるため、**「PFASフリー」**は環境や人体への配慮を示す重要な指標となっています。

1. 🧪 PFAS（ピーファス）とは？

PFASは、Per- and Polyfluoroalkyl Substances（パーフルオロアルキル化合物およびポリフルオロアルキル化合物）の略称で、1万種類以上あるとされる有機フッ素化合物の総称です。

主な特徴（「永遠の化学物質」と呼ばれる理由）

• 撥水性・撥油性: 水や油をはじく性質が非常に高い。

• 熱・化学的安定性: 熱に強く、化学的に分解されにくい。

• 難分解性: 環境中で非常に分解されにくいことから、「永遠の化学物質 (Forever Chemicals)」とも呼ばれ、自然界や動植物の体内、そして人体に残留・蓄積することが問題視されています。

主な用途

これらの優れた特性から、非常に幅広い製品に使われてきました。

• 調理器具: フッ素樹脂加工のフライパン（撥水・撥油コーティング）

• 衣類: レインウェアやアウトドア用品などの撥水加工

• 消防: 泡消火薬剤

• 食品包装: 油分の多い食品用パッケージ（耐油紙など）

• 電子材料: 半導体製造プロセス、一部の基板材料（PTFEなど）

• その他: 界面活性剤、ワックス、化粧品など

2. 🛡️ PFASフリーの意義と製品例

「PFASフリー」の定義

厳密な定義は規制によって異なりますが、一般的には、規制対象となっているPFOS（ペルフルオロオクタンスルホン酸）やPFOA（ペルフルオロオクタン酸）を含む、有害性が懸念される特定のPFASが製品や製造工程に含まれていないことを指します。

PFASフリー製品の例

環境規制の強化に伴い、代替材料の開発とPFASフリー製品への切り替えが進んでいます。

3. 🌍 規制の動向

PFASは国際的な問題として認識され、規制が強化されています。

• POPs条約（残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約）: PFOS、PFOA、PFHxSなどが規制対象に追加されています。

• 日本の化審法（化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律）: PFOS、PFOA、PFHxSなどが第一種特定化学物質に指定され、原則として製造・輸入・使用が禁止されています。

• 水質: 日本国内でも水道水や環境水におけるPFOS/PFOAの暫定目標値が設定されています。

PFASフリーへの動きは、環境と人々の健康を守るための、世界の化学産業と製品開発における大きな潮流となっています。