RFシグナルジェネレータとは?

無線通信技術の進化とともに、RFシグナルジェネレータ(RF信号発生器)は研究開発、製造、検証の現場でますます重要な存在となっています。本稿では、その基本的な仕組みから具体的な用途、機種選定のポイントまでをわかりやすく解説します。

 

RFシグナルジェネレータの基本機能

RFシグナルジェネレータは、高周波信号を人工的に発生させる装置です。以下のような基本機能を備えています:

  • 周波数出力:数kHz〜数GHz、あるいはそれ以上の広範囲な信号を正確に発生可能。

  • 振幅制御:出力レベルをdBm単位で精密に調整でき、感度評価などに使用。

  • 変調機能:AM(振幅変調)、FM(周波数変調)、PM(位相変調)、IQ変調などをサポート。

  • スイープ機能:周波数や振幅を連続的に変化させ、フィルタやアンテナ特性評価に最適。

 

主な活用シーン

通信機器の開発・評価

送受信機の周波数特性・感度・スプリアスなどを評価する際に活用されます。例えば、携帯電話の基地局試験や無線モジュールの受信試験などが代表的です。

EMC/EMI試験

EMC(電磁両立性)評価の一環として、RFシグナルジェネレータで疑似ノイズ信号を発生し、機器の耐性をチェックする場面でも用いられます。

教育・研究機関

高専や大学では、RF通信理論やシステム実験の教材として使われます。特にIQ変調信号を使ったデジタル通信の理解には欠かせません。

 

種類と特徴

種類 特徴
アナログRFシグナルジェネレータ シンプルな構造。主にAM/FM変調など基本的な信号に対応。
ベクトル(IQ)信号発生器 高度なデジタル変調信号(QAM、OFDMなど)の生成に対応。5Gなどの規格試験に最適。
スイープ信号発生器 広範囲な周波数で連続スイープが可能。フィルタやアンテナの周波数特性評価に有用。

 

RF信号発生器を選ぶ際のポイント

  • 周波数帯域:使用目的(例:Wi-Fi、5G、衛星通信)に対応しているか。

  • 出力レベルの精度と安定性:高精度測定に不可欠。

  • 変調方式:目的に応じた変調方式に対応しているかを確認。

  • インターフェース:GPIB、USB、LANなど外部制御に対応しているか。

  • ソフトウェア対応:自動測定やIQ信号生成ソフトとの互換性があるか。

 

まとめ

RFシグナルジェネレータは、無線通信技術の実証・検証に不可欠な装置です。アナログからデジタル、低周波からマイクロ波まで、多様な信号発生ニーズに応える機種が各メーカーから提供されています。

T&Mコーポレーションでは、SIGLENT、CEYEARなど各社のRF信号発生器を取り扱い、教育用途から先端通信分野まで、最適なソリューションをご提案しています。デモ機貸出や用途相談も随時承っておりますので、お気軽にお問い合わせください。