1. RF(Radio Frequency)とは
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定義: RFは無線周波数(Radio Frequency)の略で、電磁波が空間を伝播する周波数帯域を指します。
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範囲: 一般的には3 kHzから300 GHzまでの周波数範囲を指し、以下のようなカテゴリに分かれます。
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VLF (Very Low Frequency): 3 kHz - 30 kHz
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LF (Low Frequency): 30 kHz - 300 kHz
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MF (Medium Frequency): 300 kHz - 3 MHz
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HF (High Frequency): 3 MHz - 30 MHz
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VHF (Very High Frequency): 30 MHz - 300 MHz
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UHF (Ultra High Frequency): 300 MHz - 3 GHz
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SHF (Super High Frequency): 3 GHz - 30 GHz
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EHF (Extremely High Frequency): 30 GHz - 300 GHz
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2. 高周波の特徴と特性
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伝搬特性:
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反射: 高周波信号は物質の表面で反射する性質があります(例えば、金属表面での反射)。
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減衰: 周波数が高くなるほど空気や物質による減衰が大きくなります。
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回折: 波長が短いため、障害物の影響を受けやすい。
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指向性: 高周波は指向性が強く、アンテナ設計に影響を与えます。
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表皮効果:
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高周波電流は導体の表面に集中する傾向があり、これを「表皮効果(Skin Effect)」と呼びます。
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この効果は周波数が高くなるほど顕著になり、導体の実効断面積が減少し、抵抗が増加します。
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3. 主要なRF部品と回路
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RFフィルタ:
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特定の周波数帯域の信号を通過または遮断するための回路。
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種類: ローパスフィルタ、ハイパスフィルタ、バンドパスフィルタ、バンドストップフィルタ。
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ミキサ:
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2つの異なる周波数信号を混合し、新しい周波数信号を生成する回路。
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周波数変換(アップコンバージョンやダウンコンバージョン)に使用されます。
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アンプ(増幅器):
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RF信号を増幅するための回路。
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種類: LNA(低雑音増幅器)、PA(パワーアンプ)、ディストリビューションアンプ。
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発振回路:
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安定した周波数のRF信号を生成する回路。
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代表的なものにクリスタル発振器やLC発振器があります。
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4. 計測と測定
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スペクトラムアナライザ:
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RF信号の周波数スペクトルを可視化し、強度やノイズを測定する装置。
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ネットワークアナライザ:
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RF部品や回路のインピーダンス、反射係数、Sパラメータを測定する装置。
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パワーメータ:
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RF信号の平均またはピークパワーを測定するための装置。
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5. 応用例
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通信システム:
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無線LAN、Bluetooth、5G、衛星通信など。
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レーダー:
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物体の検知や速度測定に利用される高周波技術。
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医療機器:
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MRIや無線ペースメーカーなどの医療機器でもRF技術が使用されています。
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