RF-SOIを採用した最新のFEM(フロントエンドモジュール)製品の動向は、2024年から2025年にかけて大きな転換点を迎えています。
特に、従来の「複数のチップを組み合わせる方式」から、RF-SOIの特性を活かした**「ワンチップへの完全統合(Monolithic Integration)」**へとシフトしているのが大きな特徴です。主要メーカーの動向を整理しました。
1. 主要メーカーの製品動向
Broadcom(ブロードコム)× Tower Semiconductor
もっとも注目すべき動きの一つです。BroadcomはファウンドリのTowerと提携し、300mm RF-SOIプロセスを用いたWi-Fi 7向けFEMの量産を開始しました。
-
特徴: PA(パワーアンプ)、LNA(低ノイズアンプ)、スイッチを単一のRF-SOIダイに完全集積。
-
メリット: 非SOI技術(バルクシリコンやGaAs)の製品を凌駕する電力効率と、基板面積の劇的な削減を実現しています。
pSemi(村田製作所グループ)
RF-SOIのパイオニアである同社は、2025年に入りWi-Fi 7向けのラインナップを強化しています。
-
製品例: PE56221 など、2.4GHz/5GHz/6GHzの各帯域に対応した製品を展開。
-
技術: SOIの絶縁性を活かし、4096-QAMで求められる極めて低いノイズフロアと高い線形性を、業界最小クラスのパッケージで実現しています。
QuantalRF
新興勢力として、独自の「インテリジェント・アダプティブ」技術を搭載したRF-SOI FEM QWX27105 / QWX27120 を市場に投入しています。
-
特徴: 超広帯域(5〜7GHz)をカバーし、モバイルSoCベンダー向けに「CMOS SOIワンチップソリューション」としてサンプル出荷を開始。消費電力を抑えつつ、Wi-Fi 7のフルスペックを引き出す設計です。
Qorvo(コーボ) / Skyworks(スカイワークス)
これら最大手もWi-Fi 7向けFEMを量産中ですが、これまでのGaAs(ガリウム砒素)ベースから、一部の機能をSOIで統合した**「iFEM(Integrated FEM)」**への移行を加速させています。特にスマホ向けでは、薄型化のためにSOIによる集積が不可欠となっています。
2. 2025年現在の技術トレンド
最新のFEM製品には、以下のような共通のトレンドが見られます。
-
「iFEM」の標準化:
かつてはPA(GaAs)とスイッチ(SOI)は別チップでしたが、現在はすべてをSOIで1つにまとめる「完全統合型」がWi-Fi 7の主流になりつつあります。
-
300mmウェハへの移行:
コストダウンと供給安定のため、200mmから300mmの高抵抗RF-SOIウェハ(SoitecのRFeSIなど)への移行が進んでいます。
-
AI/デジタル補正との親和性:
SoC(Snapdragon 8 EliteやDimensity 9400等)側のAIアルゴリズムと連携し、FEMの非線形特性をリアルタイムで最適化する仕組みが導入されています。
まとめ
| ベンダー | 主なアプローチ | ターゲット |
| Broadcom | Towerとの提携による300mm RF-SOI完全統合 | ルーター、ハイエンドスマホ |
| pSemi | 村田製作所の実装技術と融合した超小型SOI FEM | スマホ、IoTデバイス |
| QuantalRF | 広帯域対応のインテリジェントSOIチップ | 次世代モバイルプラットフォーム |
| Qorvo/Skyworks | GaAsとSOIを組み合わせた高出力iFEM | 全方位(AP、スマホ、車載) |
これらの技術により、Wi-Fi 7ルーターはより小型で高性能になり、スマートフォンでも「熱くならずに4096-QAMを維持する」ことが可能になっています。
PR:
-
Wi-Fi 7 (IEEE 802.11be)とは
Wi-Fi 7 (IEEE 802.11be) は、Wi-Fi 6/6Eの後継となる次世代のWi-Fi規格で、「Extremely High Throughput (EHT)」という名称が示す通り、超高速・低遅延の通信を実現することを目的としています。 その主な特徴は以下の通りです。 1. 超高速通信 320MHzのチャネル帯域幅: Wi-Fi 6/6Eの最大160MH[…]
wifi7 wifi6 IEEE 802.11be be11
![]() |
Integrated Vector Signal Analysis (SigVSA) The SDS7000A features SigVSA vector signal analysis software, allowing direct signal analysis from DDC output without external equipment. Supported signal types: 4G LTE, 5G NR, IEEE802.11b/a/g/n/ac/ax/be and 4096QAM, etc. |
![]() |
Support maximum 1GHz SPAN real-time spectrum analysis, DDC processing based on 20GSa/s sampling data, DDC output maximum sampling rate of 1.25GSa/s. With density map, spectrum monitoring, 3D map, 3D map + spectrum monitoring, density map + spectrum monitoring display mode, can realize high precision measurement in frequency domain. |
PR:
![]() |
SDS8000Aシリーズ オシロスコープ 特長と利点 ・Coming soon
|
![]() |
SSG6M80Aシリーズ ・Coming soon
|
![]() |
![]() |
![]() |
SSA6000A Series Signal Analyzer Main Features ・Coming soon
|
![]() |
SNA6000A Series Vector Network Analyzer Key Features
|
お礼、
T&Mコーポレーションは設立5年弱ですが着実に業績を伸ばしており、
オフィスを台東区から港区芝(最寄り駅浜松町)に移転いたしました。
欧米計測器メーカーが値上げをする中、(110GHz VNAでは1億円超え)
弊社では若干の値下げをさせていただき、(110GHz VNAは5000万円以下)
深セン市のH社などでは、1台の有名メーカーの導入ではなく、C社製品を複数台導入することで開発を加速しています。
製品開発においては、2番手ではダメで、1番にならないとビジネスにはなりません。
高額な設備投資を伴う製品開発では、「安心感」ではなく「スピード感」が求められます。
電子計測器業界の「ゲームチェンジャー」として、高性能/高信頼/低価格/短納期を武器に
T&Mコーポレーションはお客様のご予算を最大限生かす製品群をご提案させていただいております。














