SIGLENT(シグレント) ベクトル・ネットワーク・アナライザ SNA5000Aシリーズ
Sパラメータを用いたシグナルインテグリティ(SI)解析とは、電気信号が伝送路でどのように伝わるかを評価し、信号品質の劣化を予測・改善する手法です。Sパラメータは、RF回路の各ポート間の電力伝達や反射特性を示すもので、これを用いることで、設計段階でインピーダンス整合や信号損失、歪みなどを評価し、高速化に伴う信号品質の劣化を防ぎます。
 
Sパラメータとは
 
  • 定義:
    SパラメータはRF回路などの多ポートシステムにおいて、あるポートから入力された電力と、各ポートから出力される電力(反射や伝達)の関係を示す行列です。
  • 目的:
    インピーダンス整合を達成し、ソースから負荷への電力伝達を最大化するために、回路の反射特性(S11など)や伝達特性(S21など)を評価します。
Sパラメータを用いたSI解析のメリット
  • 設計段階での信号品質の最適化:
    基板を試作する前にシミュレーションで信号品質を評価できるため、設計の早い段階で問題点を発見し改善できます。
     
  • 信号品質の予測と改善:
    信号の歪み、損失、反射などを予測し、回路の配線や部品選定を最適化することで、高信頼性のデジタル製品設計に貢献します。
     
  • 伝送線路特性の評価:
    Sパラメータを用いることで、伝送線路での信号の減衰や信号が反射してインピーダンスの不整合が生じるかを定量的に評価できます。
     
具体的な解析例
 
  • 反射の評価:
    S11(反射係数)を分析することで、信号がソース側でどの程度反射するかを把握し、インピーダンス整合の不備による信号品質の劣化を防ぎます。
  • 伝送特性の評価:
    S21(伝達係数)を分析することで、信号が伝送路を伝わる際にどれくらい減衰するか、または信号が歪むかを評価します。

     

     

    この動画では、VNAによるeyeパタン解析(optionTDR)について分かりやすく解説されています。
     
     

    出典:youtu.be/lYokEoscUI4

    Enhanced TDR Measurements with your SIGLENT SNA5000A Vector Network Analyzer

    Siglent SNA6000A

    Option TDRによるeyeパターン解析

    シミュレーションによるアイダイアグラム解析機能により、パルスパターンジェネレータが不要になります。

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    Siglent SNA6000A video

    出典:Siglent SNA6000A video

    Siglent SDG3000X Series

    Arbitrary Waveform Generator

    出典:Siglent SDG3000X video

    主な特徴
    出力周波数:80/160/200MHz
    サンプリングレート:1.2 GSa/s
    垂直分解能:16ビット
    任意波形長:最大40 Mpts/チャンネル
    2ch, デュアルパルス出力機能対応

    出典:engineer-climb.com/cross-talk/

    EMC村の民「クロストークノイズの対策方法」より

     

    基板の配線パターンや機器内部のハーネスは、それぞれが電磁的に干渉することで信号波形を歪ませることがあります。この現象がいわゆる「クロストーク」と呼ばれるもので、特に信号品質(シグナルインテグリティ)やエミッションノイズに影響を与えるため、設計時にはクロストークを低減させるための処置を解説。