SCB基板は、古河電気工業株式会社が開発・製造するSmart Cellular Board®(スマートセルラーボード)という低誘電発泡材料を用いた基板材料を指します。
この材料は、主に5G、6Gなどの次世代高速通信機器において、信号の伝送損失を低減するために開発されたものです。
💡 SCB基板(Smart Cellular Board®)の主な特徴
SCBは、**エンジニアリングプラスチック(エンプラ)やスーパーエンジニアリングプラスチック(スーパーエンプラ)**を独自の技術で微細に発泡させた素材を基板の絶縁層に使用しています。
1. 優れた低誘電特性と低損失
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低誘電率(Dk)と低誘電正接(Df):
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樹脂を発泡させ、内部に均一で微細な気泡(セル)を多数含む構造にすることで、空気の持つ低い誘電特性を利用し、材料全体の誘電率(Dk)と誘電正接(Df)を大幅に低下させています。
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特に誘電正接(損失を示す指標)が非常に低いため、高周波信号の伝送損失(ロス)を最小限に抑えることができます。この性能は、従来のPTFE基板(テフロン基板)に匹敵するか、それを上回る効果が期待されています。
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伝送損失の低減: 低誘電損失により、基板上での発熱も抑制する効果があり、ヒートシンクの軽量化などにも貢献します。
2. 軽量化
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低比重: 発泡構造であるため、同じ体積の非発泡樹脂に比べて大幅に軽量です。基地局や移動体通信機器などの重量削減に貢献します。
3. 高耐熱性・高耐薬品性
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母材の採用: 高融点のエンプラやスーパーエンプラを母材として使用できる独自の製造技術(バッチ発泡成形)により、高い耐熱性や耐薬品性といった母材樹脂が持つ優れた特性を維持しています。
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加工性: 一般的なプリント基板の加工プロセス(エッチング工程など)にも対応しています。
🎯 主な用途
SCB基板の低損失・軽量という特徴は、高速・大容量通信が求められる分野で非常に重要です。
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次世代通信機器: 5G/6G通信用アンテナ基板、通信モジュール、フィルタ、高周波回路。
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レーダー: 車載レーダー、気象レーダー、その他の高周波送受信機。
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レドーム: 通信機器を保護するカバー(レドーム)の材料としても使われ、軽量化と電波透過性の向上に貢献します。
🌿 PFASとの関連
SCBの母材として使用される樹脂の種類によりますが、SCBのコンセプトは、PTFE(フッ素樹脂)などの高価で加工が難しいフッ素系材料に依存することなく、エンプラやスーパーエンプラを用いて高性能な低誘電材料を実現することにあります。
使用されるエンプラやスーパーエンプラがPFASに該当しないものであれば、PFASフリーの高性能な高周波基板材料として、フッ素系基板の代替や新たな選択肢となる可能性があります。
下記資料では「SCB基板」について詳しく解説されています。
https://www.furukawa.co.jp/scb/suggestion/substrate.html
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Dielectric constant:Dk = 1 – 15 (accuracy ± 0.2 %) Loss tangent:Df > 5 × 10–6 (accuracy ± 2 %)
1.0mmコネクタケーブルによる直接接続(エクステンダ不要)
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ありがとうございます。
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