差動伝送路におけるSdd11は、差動モードの信号がポート1に入力された際に、ポート1で反射して戻ってくる信号の大きさを表すSパラメータです。具体的には、差動信号の入力における反射特性を評価するために使用されます。

 
詳細:
  • Sパラメータ:

    Sパラメータは、高周波回路や伝送路の特性を評価するための指標です。S11は入力ポートでの反射を表し、S21は入力ポートから出力ポートへの伝送を表します。

     
  • 差動伝送:

    差動伝送は、2本の信号線を使って、互いに逆相の信号を伝送する方法です。これにより、ノイズの影響を低減し、高速な信号伝送を実現できます。

     
  • Sdd11:

    Sdd11は、差動モードの信号が入力された際の、同じポートでの反射を表します。例えば、差動入力のペアの片側に入力された信号が、同じペアのもう片側に戻ってくるのではなく、入力側に戻ってくる信号の割合を表します。

     
  • 意味:

    Sdd11の値が大きいほど、差動モードの信号の反射が多く、インピーダンス整合がうまくいっていないことを示唆します。逆に、Sdd11の値が小さいほど、反射が少なく、インピーダンス整合が良好であることを意味します。

     
  • Sdd11の評価:

    Sdd11は、差動伝送路の設計や評価において、インピーダンス整合の状態を把握するために重要なパラメータです。Sdd11の値を小さくすることで、より効率的な信号伝送を実現できます。

     

例:

 

例えば、Sdd11が-20dBの場合、入力された差動信号の20dB(10%)が反射して戻ってくることを意味します。Sdd11が-30dBの場合、入力された差動信号の30dB(1%)が反射して戻ってくることを意味します。

 
まとめ:
Sdd11は、差動伝送路の入力における反射特性を表すSパラメータであり、インピーダンス整合の評価に重要な役割を果たします。Sdd11の値が小さいほど、反射が少なく、良好なインピーダンス整合が達成されていることを示します。

 

参考資料: