Wi-Fi HaLow™(IEEE 802.11ah)は、IoT(Internet of Things)時代の新たなニーズに応えるために開発された、長距離・低消費電力に特化したWi-Fi規格です。

従来のWi-Fi(2.4GHz帯や5GHz帯)が「高速・大容量」を目指したのに対し、Wi-Fi HaLow™は「広範囲をカバーし、多数の機器を省電力で接続する」ことを最大の目標としています。

🌟 Wi-Fi HaLow™の主要な特徴

Wi-Fi HaLow™が従来のWi-Fiや他のLPWA(Low Power Wide Area)規格と一線を画す点は、以下の3点です。

1. 長距離通信と高い回折性

  • 周波数帯域: Sub-1 GHz帯(日本では主に920MHz帯)という低周波数帯を使用します。

  • メリット: 低周波数帯の電波は、従来の2.4GHz/5GHz帯と比べて、電波の減衰が少なく、壁や障害物を回り込む回折性が高いという性質があります。

  • 到達距離: これにより、通信距離は1km以上に達し、従来のWi-Fiが苦手としていた広大な敷地や屋外での通信を可能にします。

2. 超省電力設計

  • 技術: TWT (Target Wake Time) などの高度な省電力技術をMAC層(Media Access Control Layer)で標準サポートしています。

  • 仕組み: デバイスが通信する特定の時間帯をアクセスポイント(AP)が指定し、それ以外の時間はデバイスをディープスリープ(深い休眠)状態に保ちます。

  • メリット: これにより、バッテリー駆動のセンサーなどでも数年にわたる電池寿命が期待でき、メンテナンス頻度を大幅に削減できます。

3. 多数同時接続とIP互換性

  • 接続台数: 1台のアクセスポイントで8,000台以上のデバイスを同時に接続できるように設計されており、センサーが大量に配置される大規模なIoT環境に対応します。

  • IP互換性: 既存のWi-Fiファミリーであるため、IP(Internet Protocol)ベースの通信をネイティブにサポートします。これにより、LoRaやZigbeeのような独自のゲートウェイやプロトコルを必要とせず、デバイスから直接インターネットやクラウドサービスに接続できるため、システム構築が容易です。

特性 Wi-Fi HaLow™ (IEEE 802.11ah) 従来のWi-Fi (2.4/5GHz帯) LoRa/Sigfox (他のLPWA)
周波数帯 Sub-1 GHz帯 (920MHz帯など) 2.4 GHz帯, 5 GHz帯 Sub-1 GHz帯 (日本は920MHz帯など)
通信距離 長距離 (1km以上) 短距離 (数十メートル) 超長距離 (数km)
最大速度 数百kbps~数十Mbps 超高速 (数百Mbps~数Gbps) 超低速 (数十kbps以下)
消費電力 低消費電力 高消費電力 超低消費電力
最大接続数 多数 (APあたり8,000台以上) 少ない~中程度 少ない
IP対応 対応 (Wi-Fi標準) 対応 専用ゲートウェイが必要な場合が多い

🏢 主な用途と活用例

URLLCがミッションクリティカルな制御系に使われるのに対し、Wi-Fi HaLow™は広範囲のIoTデータ収集や監視に最適です。

  • スマートシティ・インフラ:

    • 遠隔地の河川水位監視、橋梁やトンネルの構造ヘルスモニタリング

    • 街灯、ゴミ箱、駐車場の空き状況センサーなど、広範囲にわたるセンサーの接続。

  • 産業IoT (IIoT) / スマート農業:

    • 大規模な工場や倉庫、広大な農場での資産管理(Asset Tracking)

    • ロボット、フォークリフト、屋外設置の監視カメラ(画像伝送可能)。

    • 農地の温度、湿度、土壌水分量センサーからのデータ収集。

  • スマートホーム・セキュリティ:

    • 家全体、庭、ガレージまでカバーする防犯カメラやドアセンサー。

    • 遠隔からのファームウェアアップデートなど、データ容量の比較的大きい通信。

Wi-Fi HaLow™は、従来のWi-Fiの利便性(IP接続、セキュリティ規格WPA3対応など)を維持しつつ、IoTの課題である「通信距離と電力」を解決する、非常にバランスの取れた規格として期待されています。

 

 

 

 

 

 

紹介動画:(エンジャー氏)

【高周波】ネットアナ活用大全!基礎から応用まで徹底解説 | SIGLENT

 

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SDS8000Aシリーズ オシロスコープ

特長と利点
4チャンネル + 外部トリガーチャンネル
アナログチャンネル帯域幅:最大16GHz(8/13/16GHz)
リアルタイムサンプリングレート:最大40GSa/s(全チャンネル同時)
12ビットADC
低ノイズフロア:16GHz帯域幅で176μVrms
SPOテクノロジー
・ 波形キャプチャレート:最大200,000フレーム/秒
・ 256段階の波形輝度と色温度表示をサポート
・ 最大2Gポイント/チャンネルのストレージ容量
・ デジタルトリガー

・Coming soon

 

SSG6M80Aシリーズ
マルチチャネル・コヒーレント・マイクロ波信号発生器
主な特長
・最大周波数 13.6 GHz/20 GHz
・出力周波数分解能 最大0.001 Hz
・位相ノイズ < -136 dBc/Hz @ 1 GHz、オフセット 10 kHz(測定値)
・コヒーレントモード、搬送周波数 = 10 GHz、周囲温度変動 ±2℃、観測時間 5時間、位相変動 < 1.5°
・チャンネル間の周波数、振幅、位相を個別に調整可能。単一デバイスチャンネル同期および複数デバイスチャンネル位相同期をサポート。位相メモリ機能搭載
・アナログ変調、パルス変調(オプション)

・Coming soon

 

 

SSA6000A Series Signal Analyzer

Main Features
・Measurement Frequency Range: 2 Hz ~ 50 GHz
・IQ Analysis Bandwidth: 1.2 GHz
・Real-time Spectrum Analysis Bandwidth: 400 MHz
・Phase Noise: -123 dBc/Hz @ 1 GHz, 10 kHz offset
・DANL: Less than -165 dBm/Hz
・Demodulation and analysis of signals from multiple mobile communication standards including 5G NR, LTE/LTE-A, WLAN, and IoT, as well as wireless connections.

・Coming soon

 

SNA6000A Series Vector Network Analyzer

Key Features
・Frequency Range: 100 kHz ~ 50 GHz
・Dynamic Range: 135 dB
・IF Bandwidth Range: 1 Hz ~ 10 MHz
・Output Power Setting Range: -60 dBm ~ +20 dBm
・Supports 4-port (2-source) S-parameter measurements, differential (balanced) measurements, time-domain analysis, scalar mixer measurements, etc.
・Optional accessories include electronic calibration kits, switch matrix, and mechanical switches.
・Coming soon

 

 

お礼、

T&Mコーポレーションは設立5年弱ですが着実に業績を伸ばしており、

オフィスを台東区から港区芝(最寄り駅浜松町)に移転いたしました。

欧米計測器メーカーが値上げをする中、(110GHz VNAでは1億円超え)

弊社では若干の値下げをさせていただき、(110GHz VNAは5000万円以下)

深セン市のH社などでは、1台の有名メーカーの導入ではなく、C社製品を複数台導入することで開発を加速しています。

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高額な設備投資を伴う製品開発では、「安心感」ではなく「スピード感」が求められます。

電子計測器業界の「ゲームチェンジャー」として、高性能/高信頼/低価格/短納期を武器に

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