
電圧ロ―グウェーブとは、電子機器(車載電子機器)の電源分配回路網(PDN: Power Distribution Network)で、予測不能に突発的に発生する非常に高い電圧変動のことです。これは、海洋に現れる巨大な波(ロ―グウェーブ)に似ていることから名付けられました。
特徴と発生メカニズム
電圧ロ―グウェーブは、以下のような特徴とメカニズムを持っています。
-
予測の難しさ:通常予測される範囲をはるかに超えた異常な電圧変動であり、いつ、どこで発生するかを予測することが困難です。
-
発生要因:主に、複雑になった電源分配回路網(PDN)において、負荷の急激な変化や高周波領域でのノイズの蓄積が原因とされます。
-
影響:電子機器の誤動作や、最悪の場合、部品の破損を引き起こす可能性があります。特に、情報処理の高速化が進む自動運転車などの分野で問題視されています。
対策と応用
電圧ロ―グウェーブへの対策としては、回路設計段階でのPDNのインピーダンスの最適化や、ノイズフィルターの導入などが挙げられます。また、この現象を逆に利用して、新しい電源技術や高周波デバイスの開発に応用する研究も進められています。
T&MコーポレーションではSIGLENT社、Ceyear社の電子計測器(オシロスコープ、スペアナ、VSG、VNA等)による計測システムの提案を行っております。お気軽にお問い合わせフォームよりご相談くださいませ。
https://tm-co.co.jp/contact/