
オシロスコープの8ビットと12ビットの最も大きな違いは、垂直分解能です。垂直分解能とは、オシロスコープが入力電圧をどれだけ細かくデジタル値に変換できるかを示す指標です。
垂直分解能の違い
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8ビットオシロスコープは、電圧を = 256段階でデジタル化します。
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12ビットオシロスコープは、 = 4,096段階でデジタル化します。
この差は、12ビットが8ビットの約16倍の細かさで波形を表現できることを意味します。
主なメリット
垂直分解能が高い12ビットオシロスコープには、以下のようなメリットがあります。
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微小信号の観測: 振幅の大きな信号に重なっている小さなノイズや微細な電圧変動を、より正確に捉えることができます。8ビットではノイズに埋もれてしまうような信号でも、12ビットでは鮮明に表示できます。
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高精度な測定: 測定結果の精度が向上します。特に、電源のリップルノイズやセンサー出力など、高い精度が求められる測定に適しています。
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拡大表示の滑らかさ: 波形を拡大表示した際、8ビットでは階段状のギザギザが見えやすいのに対し、12ビットではより滑らかな波形を保ちます。
補足事項
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ビット数が多いほどデータ量も増えるため、処理速度やメモリ容量に影響が出ることがあります。
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オシロスコープの性能はビット数だけで決まるわけではなく、ノイズ性能や**有効ビット数(ENOB)**も重要な指標となります。ノイズが多いオシロスコープでは、12ビットの分解能があってもノイズに埋もれてしまうことがあります。
この動画は、8ビットと12ビットのオシロスコープを比較し、高分解能が信号の細部に与える影響を解説しています。
8-bit vs 12-bit Oscilloscopes: Does Higher Resolution Really Matter?