SIGLENT(シグレント) SDS800X HDシリーズ デジタル・オシロスコープ

EMC試験におけるロード・シミュレータは、EMC(電磁両立性)試験において、測定対象となる機器(EUT: Equipment Under Test)に接続される実際の負荷を模擬するための装置です。特に自動車や航空機などの分野で、電子機器が電磁的なノイズ環境下で正しく動作するかを評価するために使用されます。

 

役割

 

EMC試験では、対象機器がノイズを放出しないか(エミッション試験)、また外部のノイズを受けても誤動作しないか(イミュニティ試験)を評価します。この際、対象機器は単体で存在するのではなく、実際の車両やシステム内で他の機器と接続されます。

EMCロード・シミュレータの主な役割は以下の通りです。

  • 実際の使用環境の再現: 試験室という特殊な環境で、対象機器が実際の負荷(モーター、ランプ、ECUなど)に接続された状態を正確に再現します。これにより、実際の使用環境に近い状態で試験を行うことができます。

  • ノイズの伝搬経路の制御: ケーブルを介して他の機器との間でノイズが伝搬するのを模擬します。シミュレータが適切なインピーダンスで終端されることで、ノイズが不要な場所に伝わったり、試験結果に影響を与えたりするのを防ぎます。

  • 試験の信頼性向上: ロード・シミュレータを使用することで、試験結果が実際の使用環境に即したものとなり、再現性のある、信頼性の高いデータを得ることができます。

 

構成要素

 

ロード・シミュレータは、単なる抵抗器の集まりではありません。通常、以下の要素で構成されます。

  • 受動部品: 抵抗、コンデンサ、コイルなどを用いて、実際の負荷の電気的特性(インピーダンス)を模擬します。

  • 金属筐体: ノイズの侵入や放出を防ぐため、金属製の筐体に収められていることが一般的です。この筐体はグラウンドプレーンに直接接続されます。

  • テスト・ハーネス: 測定対象機器とロード・シミュレータを接続するためのケーブルです。これも実際の車両での配線を考慮して、長さや配置が厳密に規定されることがあります。

これにより、EMCロード・シミュレータは、試験の精度と信頼性を高める上で不可欠なツールとなっています。

 

詳細情報:株式会社  e・オータマ  https://www.e-ohtama.jp

車載機器のEMC試験の準備
—ロード・シミュレータ、テスト・ハーネスなどの準備— 

https://www.emc-ohtama.jp/emc/doc/esa-test-preparation.pdf

 

T&MコーポレーションではNEXTEM社と協調してSIGLENT社、Ceyear社の電子計測器(スペアナ, VSG, VNA等)による EMC評価に必要な電子測定器、システムの提案を行っております。お気軽にお問い合わせフォームよりご相談くださいませ。
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