
MOSキャパシタのゲート酸化膜のC-V特性評価では、高周波数と低周波数の両方で測定を行うのが一般的です。それぞれの測定周波数には異なる目的があります。
測定方法
C-V特性の測定は、DCバイアス電圧を掃引しながら、特定のAC信号周波数で静電容量を測定することで行います。一般的にはLCRメーターや半導体パラメータアナライザが用いられます。測定時の注意点として、ケルビン接続やシールドケーブルの使用が挙げられます。これは、寄生抵抗やノイズの影響を最小限に抑えるためです。
周波数依存性
C-V特性は測定周波数に依存します。この周波数依存性は、界面準位(interface states)やシリーズ抵抗などのデバイスの電気的特性を評価する上で重要な情報となります。
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高周波数(High Frequency): 一般的に 100 kHzから1 MHz の範囲が使用されます。この周波数では、界面準位の電子がAC信号に追従できないため、界面準位の影響がC-Vカーブの形状に現れにくくなります。このため、酸化膜の厚さや基板のドーピング濃度を正確に算出するために使用されます。
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低周波数(Low Frequency): 10 Hzから1 kHzといった低い周波数が使用されます。この周波数では、界面準位の電子がAC信号に追従できるため、界面準位の密度や特性を評価するために用いられます。低周波数でのC-Vカーブは、反転層が形成された際に高周波数と比べて容量が大きく測定されます。
電子デバイス:MOSキャパシタのC-V特性 この動画は、MOSキャパシタのC-V特性について、蓄積、空乏、反転の各モードや高周波数・低周波数の特性を解説しています。