LIGAは、高アスペクト比(深さに対する幅の比)を持つ微細構造体を製造するための複合的な微細加工プロセスです。
名称は、構成する主要な3つの工程のドイツ語の頭文字に由来します。
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Lithographie (リソグラフィ)
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Galvanoformung (電鋳)
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Abformung (成形/モールディング)
この技術は1980年代にドイツのカールスルーエ原子核研究所で開発され、特に従来の半導体プロセスでは困難だった高さがあり、側壁が非常に滑らかな金属や樹脂の微細部品の製造に用いられます。
🛠️ LIGAプロセスの基本工程
LIGAプロセスの典型的な工程(X線LIGAの場合)は以下の通りです。
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X線リソグラフィ(Lithographie):
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金属基板上に、厚い**PMMA(ポリメチルメタクリレート)**などのフォトレジスト層を形成します。
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**シンクロトロン放射光(SR光)**という高輝度なX線をマスクを通してレジストに照射します。
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X線が照射されたレジスト部分は分子の連鎖が切断され、現像液に溶解するようになります。未露光部分は溶解せずに残ります。
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この結果、マスクパターンに忠実で、側壁が垂直かつ滑らかなレジストの微細構造体(雌型)が形成されます。
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電鋳(Galvanoformung):
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リソグラフィで形成されたレジストの微細な溝(雌型)を鋳型として利用し、電気めっきによってニッケルや金などの金属を堆積させます。
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これにより、高精度で高アスペクト比を持つ金属の微細構造体(雄型またはマスター金型)が作製されます。
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成形(Abformung/モールディング):
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電鋳で得られた金属構造体(金型)をマスター型として使用し、射出成形やホットエンボスなどの手法を用いて、プラスチックやセラミックなどの材料に微細パターンを大量に転写します。
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これにより、低コストで高精度な微細部品の量産が可能となります。
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✨ LIGAプロセスの主な特徴と用途
LIGAプロセスは、その独自の特性から、特に高い性能が求められるMEMSデバイスやマイクロシステムで利用されます。
特徴
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高アスペクト比: 深さ(高さ)が幅に対して非常に大きい構造(例: 100:1オーダー)を実現できます。
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高精度と滑らかな側壁: シンクロトロン光の平行性とX線リソグラフィの高い解像度により、側壁の垂直度と表面粗さが優れています。
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幅広い材料: 最終製品は、電鋳による金属だけでなく、成形により樹脂やセラミックなど多様な材料で製造可能です。
用途
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MEMSデバイス: 高性能なマイクロギア、マイクロスプリング、高出力静電アクチュエータなど。
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光通信: MEMS光スイッチ、光ファイバーアライメント用の微細治具。
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医療・バイオ: マイクロ流路チップ、分析プレート、微細な医療用器具。
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光学: 回折格子、マイクロレンズアレイ、X線光学部品。
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Ceyear社ではLightwave Component Analyzer、Optical Spectrum Analyzerをラインナップしています。
2025年マイクロウェーブ展で展示されます。https://tm-co.co.jp/mwe2025/









